カスミサンショウウオの新たな生息地発見 岐阜高生発見 − 岐阜新聞 Web
カスミサンショウウオの新たな生息地発見 岐阜高生発見
2017年04月08日09:02
写真:カスミサンショウウオの新たな生息地発見 岐阜高生発見
カスミサンショウウオの県内の生息地を新たに発見し、学会で発表した自然科学部生物班=岐阜市大縄場、岐阜高校

◆絶滅危惧2類指定 海津市、県内4カ所目

 環境省のレッドデータブックで絶滅危惧2類に指定されているカスミサンショウウオの保護活動に取り組む岐阜高校(岐阜市大縄場)の自然科学部生物班は、県内4カ所目となる生息地を海津市で見つけた。地理情報システム(GIS)と、周囲の水を調べてそこに生息する生物を特定する「環境DNA」と呼ばれる技術で生息していそうな場所を特定し、卵のうを発見した。生徒たちは「迅速かつ効率的に生息地を探す方法ができた」と喜んでいる。

写真:カスミサンショウウオの新たな生息地発見 岐阜高生発見
新たに見つかったカスミサンショウウオの生息地。透明の袋状のものが卵のう=海津市内(岐阜高校自然科学部生物班提供)

 カスミサンショウウオは丘陵地帯や里山の周辺に生息し、岐阜、愛知県は生息域の東限に位置する。

 部長の3年岡田翔吾さん(17)ら2、3年生8人は、昨年2月に環境DNAについて研究者から学んだ。30年来カスミサンショウウオを研究してきた顧問の高木雅紀教諭が、海津市で別の生息地を発見していたことから、新たに生息の可能性がある場所を探し出そうと美濃南西部の12市町で本格的な調査を始めた。

 副部長の3年北村拓斗さん(17)を中心に、GISで県内の生息地と植生や標高などの条件が一致する場所を半径約500メートルごとに検索。候補地を5カ所に絞った。

 そのうちの1カ所、海津市内の田園地帯で、昨年10月と今年2月に車道脇の水たまりから水や堆積物を採取したところ、環境DNAからカスミサンショウウオのDNAが検出された。3月の調査で、雌1匹が産んだ卵のう1対が見つかった。

 今回の成果は、3月に東京都であった日本水産学会でポスター発表した。最先端の技術を取り入れた取り組みが評価され、銀賞を受賞した。

 生物班は2007年から、生息地で見つかった卵のうを上陸直前まで育てて放流する保護活動や環境整備を行ってきた。岡田さんは「候補地の残り4カ所の環境DNAも今後調べる。GISを使い、過去にカスミサンショウウオが生息していた環境についても研究したい」と話した。