大東(長良高出)最高殊勲選手 全日本大学野球 − 岐阜新聞 Web
大東(長良高出)最高殊勲選手 全日本大学野球
2017年06月13日08:31
写真:大東(長良高出)最高殊勲選手 全日本大学野球
国際武道大×立大=1回裏立大1死一、二塁、大東が左越えに3ランを放つ。捕手筒井=神宮

◆立大59年ぶりV

 第66回全日本大学野球選手権最終日は11日、神宮球場で決勝が行われ、立大(東京六大学)が9−2で国際武道大(千葉)を下し、1958年以来59年ぶり4度目の優勝を果たした。国際武道大は初の大学日本一を逃した。

 立大は一回に1点の先制を許したが、その裏に大東の3ランなどで5点を奪って逆転。六回以降も着実に加点し、五回途中から救援した中川が無失点と好投した。

 大東が最高殊勲選手に輝き、3試合に投げて2勝の中川が最優秀投手に選ばれた。国際武道大の赤木が15打数7安打、打率4割6分7厘で首位打者となった。

◆「プロ並み」長嶋茂雄氏が絶賛

 鵜沼中、長良高出の4年大東孝輔が立大を59年ぶりの全日本大学野球選手権優勝へ導き、最高殊勲選手に輝いた。リーグ戦は代打で勝負強さをみせてきたが、指名打者制の全日本では初戦の2回戦・富士大(北東北)戦で終盤に起死回生の2ラン。決勝では一回、OBで元巨人監督の長嶋茂雄氏に「プロ並みの打球」と言わせ、試合を決める豪快3ランで存在感を示した。大東は「日本一は信じられない。東京ドームでも神宮でも打ててうれしい」と喜びを爆発させた。

 富士大戦は0−2とリードされた七回裏。無死1塁で打席に入り「バントの場面だと思ったが、打てのサインだった。真っすぐでストライクをとりにくると思った」との読み通り、初球の直球を振り抜き、右中間に消える同点2ランを放った。この一発でチームは勢いづき、一挙6点を奪って逆転勝ちした。

 59年ぶりの春の大学王者へ王手をかけた決勝では一回、国際武道大に1点を先制されたが、仲間がすぐさま逆転。直後の1死一、二塁の場面で打席に立った。「変化球が入っていなかったのでストレートを狙った」とまたもや初球の直球を迷いなく振り切ると、左越えの3ランに−。ベンチに戻ってくると溝口智成監督からは「良かったな」とねぎらいの言葉をもらった。「代打起用が多いリーグ戦と違って指名打者では打席が多く回ってくる。今大会は(準決勝まで10打数2安打で)結果はあまり出ていなかったが監督が信じて使ってくれた」と感謝を込めて振り返った。大東の3ランを絶賛した長嶋氏については「本塁打の後で観戦を知り、グラウンドから(長嶋氏を)見た」とうれしそうに話した。

 長良高は甲子園出場はあるが、近年は昨夏の岐阜大会ベスト4が最高。大東が高3時も準々決勝で惜敗した。当時の三輪一弘監督から「どうせやるなら六大(東京六大学)でやれ」という一言をきっかけに立大へ進んだ大東。「雑用は大変だった」と振り返りながらも、地道な努力で全国の優秀な選手が集まる立大で2年秋からベンチ入りし、活躍を続ける。長男凌司投手が立大で同級生の藤田明宏朝日大監督も「昨年の中京院大の優勝、今回の岐経大のベスト8に加え、大東君の活躍。県の野球レベルの高まりを実感しやりがいを感じる」と喜ぶ。

 大先輩の長嶋氏ばりの勝負強さで輝きを放った大東。秋のリーグに向け「守備も頑張り、スタメンで出られるようにしたい」と目標を語り、卒業後については「まだ就職先は決まっていないが、社会人でも野球は続けたい」と目を輝かせる。一気に全国区に躍り出た“右の大砲”の今後から目が離せない。