県中央家畜保健衛生所 岐阜大内に移転、開所 − 岐阜新聞 Web
県中央家畜保健衛生所 岐阜大内に移転、開所
2017年06月17日09:00
写真:県中央家畜保健衛生所 岐阜大内に移転、開所
県中央家畜保健衛生所の開所を祝う関係者ら=岐阜市柳戸、岐阜大

 伝染病のまん延防止など家畜防疫の中核施設「岐阜県中央家畜保健衛生所」が、中部地方で唯一の獣医学科を開設する岐阜大(岐阜市柳戸)の構内に移転新築され、16日に開所した。設備の更新で機能を強化したことでより迅速な防疫対応ができるようになる。

 中央家畜保健衛生所は、基幹施設の大垣市と病性鑑定を担う岐阜市の施設に分散しており、いずれも築50年近くが経過し老朽化していた。新施設は、鉄筋コンクリート3階建ての本館や平屋の解剖棟など計2972平方メートル。国立大学法人の敷地内に家畜保健衛生所が整備されるのは全国で初めて。

 岐阜大で開所式が開かれ、関係者ら約120人が出席。古田肇知事は「大学の知見と県の検査機関の経験を生かす」とあいさつし、テープカットで祝った。

◆「公務員獣医師」確保へ魅力発信

 県中央家畜保健衛生所の移転を機に、県は施設で高校生に検査の現場を知ってもらう説明会や、インターンシップ実習の受け入れを行う。県では獣医師採用試験の募集枠に対し定員割れが続いており、産業動物獣医師の確保を図る。

 県と岐阜大は2014年3月、家畜衛生の教育や防疫に関する連携協定を締結。新施設は連携事業の拠点になる。同大応用生物科学部獣医学科の入学試験は毎年約5倍の競争率を誇る。一方、昨年度の県の獣医師採用試験を通じた採用者は7人で募集枠の半数にとどまるなど、14年度から定員割れが続く。

 産業動物獣医師は、家畜の診療や防疫を担い、このうち都道府県や市町村に勤める公務員獣医師は全国的に担い手が不足している。国の統計によると、都道府県に勤める獣医師は、06年の7301人に対し14年は7121人と減少。県内でも、06年は166人だったのに対し14年は153人に減った。

 背景に犬猫の診療を担う獣医師の増加がある。14年は全国で1万5205人で、06年に比べ約2千人増えている。県畜産課は「畜産物の安全は獣医師が支えている。仕事の魅力を伝えたい」と話している。