「イクボス」が職場改善 県が学習会実施へ − 岐阜新聞 Web
「イクボス」が職場改善 県が学習会実施へ
2017年06月18日09:39
写真:「イクボス」が職場改善 県が学習会実施へ
壁一面に親子の写真が飾られた会議室で仕事の予定を話し合う社員ら=16日午後、岐阜市六条北、アース・クリエイト

 部下のワークライフバランス(仕事と生活の両立)に配慮しながら業績も向上させる上司「イクボス」を増やそうと、岐阜県は今年、県内企業の経営者や管理職を対象にした学習会を県内3カ所以上で実施する。昨年までの講演会などに加え、企業の幹部らが学び合う場を新たに設け、各企業での取り組みを促す。

 男性の育児参加や、女性が働きながら子育てをすることへの理解を深めてもらうのが狙い。県女性の活躍推進課は「まずは組織のトップの意識を変える」として、仕事と家庭の両立支援に励む「県子育て支援エクセレント企業」の幹部らが取り組みを伝え、参加者に段階的な職場環境の改善に向けた過程を学んでもらう。

 同課は「社員のために何とかしたいがどうしたら良いか分からないという問い合わせも多く、職場環境を見直すきっかけになれば」と期待を寄せる。

 同エクセレント企業の建設業アース・クリエイト(岐阜市六条北)では10年前、子育てに伴う2週間の有給休暇制度を導入するなど、職場環境の改善に着手。社員が家族で参加する懇親会などを通じ、社員同士が子育てを理解し合う社風を作っている。会議室には、壁一面に親子の笑顔を捉えた写真が並ぶ。

 取り組みを支えるのは業務の効率化だ。個別の仕事を減らし、誰もが同じ仕事をできるようにしたことで休暇を取りやすくし、家族と過ごす時間に充ててもらえるようにした。岩田良営業本部長は「組織に大切なのは人間関係。生産性を高める苦労はあったが、結果的にはプラスだった」と成果を強調する。

 国と県が2012年に行った女性の就労に関する意識調査によると、「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再就職するのが良い」との回答が岐阜県は44・0%で、全国の30・8%を上回った。同課は「岐阜県では、男性は仕事、女性は家庭といった、性別による分担意識が全国に比べて強い傾向にある」と分析。「育児への理解は、女性の就労継続や管理職比率の向上にもつながる。取り組みの輪を広げたい」と話している。