87歳女性、入浴介助後に急変 高山の介護施設 − 岐阜新聞 Web
87歳女性、入浴介助後に急変 高山の介護施設
2017年08月19日08:51
写真:87歳女性、入浴介助後に急変 高山の介護施設
立ち入り調査を終え、介護老人保健施設「それいゆ」から出てくる県職員=18日午後4時5分、高山市桐生町

 岐阜県高山市桐生町の介護老人保健施設「それいゆ」で7月末以降、入所する80〜90代の男女3人が死亡し、90代の女性2人が負傷して入院していたことが18日、分かった。施設側は記者会見で、5人はいずれも認知症患者を受け入れる2階に入所していたことを明らかにした。県と高山市は同日、施設を立ち入り調査した。県警は複数の関係者から事情を聴いており、事件、事故の両面で調べている。

 施設によると、8月12日に体調が悪化した女性(87)が13日に搬送先の病院で死亡。県警の司法解剖の結果、死因は折れたあばら骨が胸に刺さる外傷性血気胸だった。女性は12日午前に職員2人の介助で入浴。昼食などの後、夕方に部屋で体調が急変しているのを職員が見つけ、救急搬送した。施設側は会見で、入浴時に職員が上半身を抱えた際、胸部を圧迫したことによる事故の可能性を指摘した。

 6日には女性(93)が部屋で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で7日に脳挫傷などで死亡。7月31日には食べ物を喉に詰まらせた男性(80)がデイルームで意識を失い、救急搬送されたが死亡した。

 ほかにも8月15日には女性(91)のあばら骨が折れ、16日は女性(93)に肺挫傷が見つかり、いずれも入院した。

 施設を運営する医療法人同仁会の折茂謙一理事長(79)は「世間を騒がせたことは申し訳ない。近接して起きたことは異常。意図的でないと言える100パーセントの根拠もない」と話した。

 県と高山市は立ち入り調査で、折茂理事長ら3人から事故当時の状況や施設の対応を聞いた。県によると、死傷した5人の利用状況などを記した資料などを確認。施設は事故対応のマニュアルを定めているほか、職員の体制に不備はなかったという。

 施設は同仁会が1997年に開設。入所者の定員100人で、現在は約90人が利用する。要介護認定を受けた高齢者らが長期入所で療養したり、通ってリハビリしたりしている。

◆遺族「明確な報告なかった」

 「首にそれまでなかった赤いあざのような点々があった」−。高山市桐生町の介護老人保健施設「それいゆ」で12日に体調が急変し、胸骨骨折などで翌日死亡した女性(87)の30代の孫が18日、女性の息子夫婦に聞いた亡くなる前の様子を語った。

 12日午後2時ごろ、息子夫婦が施設を訪れた際、女性は遠くを見つめた様子で、元気がなく「いつもは『気を付けて』とか『ありがとう』とか話すのに、この日はしゃべらなかった」と普段との様子の違いに気付いた。「首の点々は風呂で洗ったときに付いたのかなぐらいで、当時は不審には思わなかったし、施設から特に説明はなかった」という。

 同日夕方、「呼吸がおかしい。救急車を呼んだので、病院に行ってほしい」と施設から連絡があった。

 施設側になぜこうなったのか詳しい経緯を聞いたが「調べて連絡する」との返答しかもらえなかったといい、孫は「明確な報告をもらえておらず残念」と話した。また、入所者が同時期に相次いで負傷していることに「報道で知り、びっくりした。改善すべき所はしてほしい」と求めた。