不要原料、無許可で投棄 崩落防止へ作業開始 − 岐阜新聞 Web
不要原料、無許可で投棄 崩落防止へ作業開始
2017年08月23日08:01
写真:不要原料、無許可で投棄 崩落防止へ作業開始
作業員(左)に防じんマスクの着用などを呼び掛ける多治見労働基準監督署の職員=22日午前11時48分、瑞浪市釜戸町

◆中央道土砂崩れ 流出業者、40年前から

 岐阜県瑞浪市釜戸町の中央自動車道で起きた土砂崩れで、撤去した土砂について、同市は22日、崩れ落ちた斜面に不要な窯業原料を埋めていた「丸釜釜戸陶料」(同市)の第三工場内に仮置き場を設けたと発表した。21日から土砂を持ち込んでいる。県によると、同社の水野辰英会長は40年前から、産業廃棄物である不要な原料を無許可で投棄していたと説明している。土砂崩れの現場では22日、同社が崩落防止の応急措置作業を始めた。

 市はこれまで、同町内に土砂の仮置き場を1箇所確保していたが、新たなスペースが必要なため、同社第三工場内を整地して持ち込むことにした。

 水野光二市長は22日の記者会見で、「同社からの正式な謝罪はまだない」とした上で、市街地付近で泥がたまったままの状態になっている畑など同社関連の所有地に対し「早急に原状回復を求める」と話した。

 市が22日までに御湯川近辺で被害を調査した結果、床上浸水1件、床下浸水2件、敷地内への泥などの流入が十数件確認された。市は同日、災害復旧対策会議を設け迅速な復旧を目指す。

 県によると、水野会長は「1977年から、第三工場で発生した原料の規格外品を少量ずつ置いていた」と説明しているという。10年ほど前からは月に約3トンずつ置き、2015年まで続けていた。

◆労基署が安全対策求める 周辺への影響調査へ

 瑞浪市の中央道で起きた土砂崩れで、道路や市街地に流れ込んだ大量の白い土砂の中に、発がん性などのリスクがある結晶「シリカパウダー」が含まれていることが22日、分かった。白い土砂には窯業原料製造会社「丸釜釜戸陶料」(同市)が埋めた不要となった窯業原料が含まれていることが分かっている。多治見労働基準監督署は同日、同社を立ち入り調査、土砂の撤去を行う作業員らにマスクの着用を指導した。瑞浪市も希望する市民にマスクの配布を始めた。

 シリカパウダーは、陶磁器や釉薬(ゆうやく)の原料の一つ。労基署によると、長時間大量に吸い込むと、発がん性やじん肺などのリスクが高まる。瑞浪市は近く、周辺環境への影響について調査する方針。

 シリカパウダーは流出した窯業原料と同じ場所に保管されており、市街地などへ泥水の状態で流れ込んだとみられる。水質調査などからわずかに含まれていることが分かった。県によると、泥が乾燥すると物質が粉じんとなって飛散する恐れがあるといい、対策を呼び掛けている。

 労基署は同社に濃度の測定を徹底するよう指導した。瑞浪市も土砂の撤去作業に当たる市職員らにマスクを着用させた。県は同市への支援として、マスク500個の提供を準備しているという。