職員懲戒処分の公表基準 16市「非公表の例外」 − 岐阜新聞 Web
職員懲戒処分の公表基準 16市「非公表の例外」
2017年09月09日09:08
写真:職員懲戒処分の公表基準 16市「非公表の例外」

 自治体職員の懲戒処分の公表基準について、県内21市のうち17市が規定で原則公表とする一方、うち16市がプライバシーを理由に非公表にできる例外規定を設けていることが、岐阜新聞社の取材で分かった。例外なく公表しているのは可児市のみで、専門家は「プライバシーへの配慮は必要だが、職員の規律意識を保つため、全て明らかにすべき」と指摘している。

 懲戒処分には地方公務員法に基づき、▽免職▽停職▽減給▽戒告―の四つがある。16市は原則公表とする一方、「関係者のプライバシーに配慮する必要がある場合」「被害者が公表しないことを望むとき」など非公表の例外規定を設けている。

 ほかの4市のうち、瑞浪、各務原、本巣市は「発生時にその都度検討する」などとして規定自体がなく、飛騨市は規定で「社会的に影響が大きければ公表」として原則公表にはしていない。

 21市への聞き取りでは昨年度、処分を公表しなかった事例は5件あった。岐阜市はパワハラで戒告となった職員の処分を公表しなかったほか、大垣市も書類を紛失して減給となった職員の処分を非公表に。高山市は関係者のプライバシー保護を理由に戒告処分1件を公表していない。飛騨市も、軽微な物損事故を起こした職員の戒告処分2件を公表しなかった。

 例外規定の背景には、人事院の指針があるようだ。指針では「被害者又はその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合等、公表内容の一部又は全部を公表しないことも差し支えないものとする」と示しており、「人事院の指針を参考にしている」と話す市の担当者もいた。

 一方、可児市は「市民に真摯(しんし)に説明するため、全て公表している。プライバシーへの配慮は必要だが、それが公表しない理由にはならない」(担当者)としている。県も例外規定はなく全て公表しており、担当者は「発表の仕方を工夫すれば問題ない。県民への説明責任がある」と話す。ただ、県教育委員会は例外規定があり、県警は警察庁の指針に基づき非公表とする事案もあるという。

 情報公開に詳しい獨協大の右崎正博名誉教授(憲法・情報法)は「公表の仕方は工夫する必要があるが、公表せずに処分を隠すことは許されない。事実を伝えなければ改善がなされず、職員の規律意識も緩む」と指摘している。