高山・介護施設5人死傷1カ月 真相解明まだ遠く − 岐阜新聞 Web
高山・介護施設5人死傷1カ月 真相解明まだ遠く
2017年09月18日08:43
写真:高山・介護施設5人死傷1カ月 真相解明まだ遠く
リスクマネジメント委員会の検証結果を説明する折茂謙一理事長(左)=9月13日、高山市桐生町

 岐阜県高山市桐生町の介護老人保健施設「それいゆ」で約半月の間に入所者5人が相次いで死傷した問題が発覚して18日で1カ月がたつ。県警は特別捜査本部を設置して事故と事件の両面から捜査を進めており、県も19日から5度目の立ち入り検査に入る。ただ、死傷問題の解明につながるような有力な情報は得られておらず、捜査は長引くことも予想される。

 今回の問題では、門谷富雄さん(80)が窒息、石本きん子さん(93)が脳挫傷、中江幸子さん(87)が外傷性血気胸で死亡。91歳と93歳の女性が大けがをして入院した。

 施設を運営する医療法人同仁会の折茂謙一理事長は問題の発覚当初、「事故と事件の両方の可能性が否定できない」と述べていた。問題を検証するためのリスクマネジメント委員会を設置。4回会合を開き、「門谷さんは病死、他の4人は事故である可能性が高い」との見解を示した。

 同委員会のメンバーで県老人保健施設協会事務局長・理事の加藤正治さん(56)は、再発防止に向けて同施設が前向きに取り組んでいると評価しつつも、「これだけ短期間に集中して起こる(死傷者が出る)のは不思議」と述べた。

 社会福祉や介護労働に詳しい岐阜経済大の高木博史准教授(42)も、死傷者3人からあざが見つかったことに関して「高齢者は元々あざをつくりやすい」と話す一方、「ここまで短期間に5人も死傷するケースは非常に珍しい」と首をひねる。

 一方、県警は、施設内にあった監視カメラの映像の分析や職員からの聞き取りなど捜査を進めるが、真相解明には時間がかかりそうだ。