安藤大尉の遺品50点 静岡の次男宅で発見 − 岐阜新聞 Web
安藤大尉の遺品50点 静岡の次男宅で発見
2017年11月02日08:13
写真:安藤大尉の遺品50点 静岡の次男宅で発見
公開される愛用の丸眼鏡や二・二六事件前年の手帳、「幸楽」のマッチなど安藤輝三の遺品=静岡市、安藤日出雄さん宅(井澤康樹さん提供)

◆占拠した料亭マッチや丸眼鏡

 戦前の首都を舞台にしたクーデター「二・二六事件」の首謀者の一人で、岐阜県揖斐郡揖斐川町にゆかりのある安藤輝三大尉(1905〜36年)の眼鏡や事件前年の手帳が、静岡市内で見つかった。11日に加茂郡白川町で開かれる「第2回戦前戦後史人権フォーラム」で展示される。

 見つかったのは、愛用の丸眼鏡のほか、事件で占拠した料亭「幸楽」のマッチや同店支配人の名刺、たばこなど約50点。次男の日出雄さん(82)宅に紙袋に納めて保管されていた。

 3枚の遺書も見つかり、処刑前日の36年7月11日付の両親に宛てた全紙の書には、「父上母上 心安らかにいませ 輝三は永遠に死せず」、もう1枚には「生と死の道に迷へり 我一人の身にあらざりき」としたためられていた。

 手帳は3冊あり、事件前年の11月ごろで書き込みは終わっているという。安藤が率いた陸軍歩兵第3連隊第6中隊の初年兵名簿には、兵士一人一人を覚えるためか、出身地や特徴まで細かく記載されていた。

 また、交流のあった秩父宮雍仁親王からの9通の手紙、写真も見つかっている。

 同フォーラム事務局長の井澤康樹さん(64)=瑞浪市寺河戸町=は「遺品を通じて安藤の体温を感じ、決起の理由とされた当時の農村の疲弊などの時代背景や、国賊扱いだった遺族の戦後に思いをはせてほしい」と話している。

 フォーラムは11日午後1時から、白川町町民会館で。「20世紀の戦争と人間」をテーマに、二・二六事件とゾルゲ事件について語り合う。安藤のおい徳彰さん、伊藤律の次男淳さん、尾崎秀実の親族の野尻眞白川病院長、元外交官の孫崎享さんが講演とパネルディスカッションを繰り広げる。