「岐阜大酒」完成へ着々 純県産で研究開発 − 岐阜新聞 Web
「岐阜大酒」完成へ着々 純県産で研究開発
2017年11月08日08:55
写真:「岐阜大酒」完成へ着々 純県産で研究開発
「岐阜大酒」のサンプルを味わう関係者。奥村真衣さん(手前左)が酵母の接合株による醸造に成功した=岐阜市柳戸、岐阜大応用生物科学部

 岐阜大が、県内産の酒米や酵母を使って2013年度から進めている日本酒「岐阜大酒」の開発プロジェクトが大きく前進した。応用生物科学部4年の奥村真衣さん(22)が新たな酵母を使った醸造に成功し、うま味や香りが一気に高まった。19年度までの製品化にめどが立ちつつある。

 コメ作りや農産品の流通、微生物学や発酵学など、同学部が強みとする専門分野が横断的に取り組む。学生が研究成果を後輩に引き継ぎながら開発を続けている。県産業技術センターや県酒造組合連合会と連携して、方向性を定めてきた。

 奥村さんは、郡上市の土から岐阜大が得た酵母「GY115」と、同センターが育種した「G酵母」の特徴が生きる酵母を作成、醸造に成功した。数回失敗したが、「失敗も楽しめた。運が良かっただけ」と奥村さん。

 造った酒は、同大で開かれた酒や食文化に関するシンポジウムの場で披露され、好評を得た。森脇久隆学長は「昨年までとは全然違う、香りもうま味も深い日本酒に仕上がっている」と太鼓判を押し、「代々の学生の積み重ねがあり、ここまでたどり着いた」と目を細める。

 コメは酒米の「ひだほまれ」、水は大学に湧く地下水を用いるなど、純粋な県産酒となる。大学の創立70周年を迎える19年度までの完成、製品化に向け、県内の蔵元と連携を模索している。指導する中川智行教授は「完成まであと少し。本当においしい日本酒を目指していきたい」と話している。