中津川白骨遺体通報の50歳男逮捕 詐欺容疑 − 岐阜新聞 Web
中津川白骨遺体通報の50歳男逮捕 詐欺容疑
2017年11月16日09:07
写真:中津川白骨遺体通報の50歳男逮捕 詐欺容疑
移送先の中津川署に入る田中幸治容疑者=15日午後5時36分

◆男性装い口座開設

 岐阜県中津川市付知町の廃屋で昨年11月、白骨化した男性の遺体が見つかった事件で、県警捜査1課と中津川署は15日、男性になりすまして銀行口座を開設しキャッシュカードをだまし取ったとして、詐欺の疑いで、遺体発見を通報した名古屋市西区菊井、無職田中幸治容疑者(50)=下呂市出身、別の事件で服役中=を逮捕した。「何のことだか分からない」と容疑を否認している。

 県警によると、遺体の身元は東京都足立区中央本町、元タクシー運転手金田浩一さん=行方不明当時(42)=とDNA鑑定で判明した。独身で1人暮らしだったといい、2010年10月に両親から警視庁に行方不明届が出ていた。

 田中容疑者は16年11月9日、「廃屋で、約1年前に死体らしきものを見た」と同署付知交番に届け出た。署員が翌10日、廃屋の押し入れの布団袋から一部白骨化した遺体を見つけた。

 2人は自殺サイトを通じて知り合った可能性があるという。県警は金田さんが死亡した経緯を知らないか事情を聴く方針。

 逮捕容疑は氏名不詳者と共謀し、他人に譲渡して金銭を得る目的で、10年12月8日、金田さんになりすまし、インターネット銀行の口座開設をオンライン上で申し込み、キャッシュカードを手に入れ、11年2月21日、カードを紛失したとして再発行手続きを行い、カードをだまし取った疑い。

 県警によると、口座は同年3月末に凍結され、4月に転売されていた。田中容疑者は遺体発見の通報当時、「遺体が誰か知らない」と話していたが、田中容疑者の関係先から紛失したはずのカードや金田さんの身分証明書が見つかったという。

 遺体が入った袋には有毒ガスの硫化水素を発生させた形跡が残っており、自殺の可能性もあるという。

 田中容疑者は16年4月、別事件の犯罪収益移転防止法違反の疑いで愛知県警に逮捕され、名古屋地裁で12月に懲役1年の判決を受けた。控訴したが棄却され、三重県の刑務所で服役していた。通報当時は保釈中で、名古屋市に住んでいた。

◆田中容疑者 3月の一問一答

 県警に逮捕された田中幸治容疑者はマネーロンダリング(資金洗浄)事件で服役する前の今年3月、岐阜新聞社の取材に2度応じた。仕事で関係した男に指示されて見知らぬ2人と会い中津川市に連れて行かれ、金田浩一さんの遺体を初めて見たといい、死亡への関与を否定した。一問一答は次の通り。

 ―遺体を初めて見たのはいつか。

 「2015年の9月か10月ごろ。(男の指示で)名古屋駅で見知らぬ2人に車に乗せられて移動し、犯罪(口座を譲り受ける役割)を手伝えと言われた。まずは写真を見せられ、次に押し入れの遺体を見た」

 ―遺体の状況は。

 「大きさなどから人間かなと思ったが直視できなかった。同じ目に遭うのではという恐怖心から犯行(資金洗浄)に協力することにした」

 ―通報が昨年になった理由は。

 「(資金洗浄)事件への関与に積極性がなかったことを伝えたかった。公判が始まる前日にレンタカーを借りて行ってみた」

 ―金田さんの死亡に関わっていないか。

 「(通報した当時)警察に聴かれた。『自殺を手助けした(のではないか)』とも言われたが、やってない。そこに行ったら(遺体が)あったと伝えた」