強引な客引きダメ!安心できる玉宮へ住民パトロール − 岐阜新聞 Web
強引な客引きダメ!安心できる玉宮へ住民パトロール
2017年12月29日08:48
写真:強引な客引きダメ!安心できる玉宮へ住民パトロール
飲食店で店員にチラシを手渡し、悪質な客引きの防止などを呼び掛ける会員(右)=岐阜市長住町

 約380の飲食店が軒を連ねる岐阜市のJR岐阜駅北側の玉宮地区周辺。週末には大勢の人たちでにぎわう一方、過剰な客引きや違法な看板設置が一部で目立っている。「岐阜の玄関口を観光客や市民、誰もが安心して歩ける街にしたい」。地元住民らでつくる団体「岐阜駅北地区自治会」(高森正明代表)が防止に動き始めた。

 「ご協力をお願いします」。11月24日夕、開店準備を進める居酒屋に、会員らが「呼び込みは店舗前で!」「看板、テーブルを敷地外に設置すると通行の邪魔に」などと記載したチラシを配って回った。市や岐阜中署と連携した「安心・安全なまちづくりパトロール」と称した初めての取り組みだ。約20人がチラシを配りながら、地区内の美化や過剰な客引き、道路への看板やテーブルのはみ出しなど、飲食店にマナーを啓発した。高森代表は「安全な街づくりは住民の協力で初めて成り立つ」と話す。

 取り組みの発端は昨年6月。高森代表が、通行人の前に立ちふさがるなど過度な客引きが名古屋市で目立っていることを、報道で知ったことからだ。地元でも、名鉄岐阜駅前のスクランブル交差点で、道路上にもかかわらず客引きが横行しているなどの現状を目の当たりにした。

 「このままでは県都の印象が悪くなる」と、大阪市や東京都渋谷区など、客引きを取り締まる条例を定めた自治体があることに着目。昨年7月、岐阜市や県警などの代表者を集めた勉強会を開き、同様の条例制定を市に提案した。

 同8月には、地区内の住民や飲食店経営者を対象にした客引きに関するアンケートを実施した。回答者116人のうち、半数以上の60人が客引きについて「煩わしい」と回答。「道の中央で客引きしているので通りにくい」などの意見もあり、同10月に再度開いた勉強会で現状を伝え、制定を訴えた。しかし、市職員らからは「客引きに関する苦情や通報はほとんど寄せられていない」などと条例制定について進展はなかった。

 高森代表は「まずは住民主体で啓発を行うなど、できることから始めよう」と気持ちを切り替え、市職員や岐阜中署員らを交えた勉強会を重ね、「行き過ぎた客引き抑止」「街の景観の維持と道路の安全性を高める」と掲げた官民協働の取り組みが実現した。

 今後は3カ月に1回、パトロールを行う予定。高森代表は「条例に頼らない住民主体の活動がいずれ、同じ問題を抱える全国の都市の参考になるといい」と話す。