空中水路、夢を導け 県建築士会有志が構想 − 岐阜新聞 Web
空中水路、夢を導け 県建築士会有志が構想
2018年01月01日01:37
写真:空中水路、夢を導け 県建築士会有志が構想
高架上の「空中水路」を鵜飼観覧船が進むイメージの模型=12月29日、岐阜市上土居

 岐阜市の市街地に「空中水路」を通し、鵜飼観覧船で巡るという奇想天外な構想を県建築士会の有志が練っている。長良川と玄関口のJR岐阜駅を結び、観光の目玉にしたい考え。事業費を含め課題は多いが、模型も作るなどやる気満々で、3月に市内で開く発表会で3年間温めた構想を公表する。

 「駅前も街中も活気がない。清流長良川が流れる水の街をもっとアピールできないか」と、副会長の横井守さん(68)=同市西川手=が発案のきっかけを説明する。

 都市化によって地下に閉じ込められた水路は、上に道路が整備された箇所が多く、めくって利用するのは難しい。ならば、都市高速道路のように高架にしようと考えた。

 仲間の神山誠さん(60)=同市上土居=がインターネットで調べたところ、スコットランド中部の町ファルカークに直径35メートルの巨大な回転式ボート昇降機があり、高架に船を運び上げる技術が既に実用化されていることが分かった。

 遊覧船を水に浮かべたまま高さ24メートルまで持ち上げ、再び水面に降ろすことが可能で、年間40万人が訪れる名所になっていた。

写真:空中水路、夢を導け 県建築士会有志が構想
JR岐阜駅(手前)と長良川を結ぶ「空中水路」の立体構想図を眺める会員ら=岐阜市上土居

 2015年に現地を視察した河本浩司さん(45)=揖斐郡大野町=は「世界中から幅広い年齢の観光客が訪れ、乗船券が買えないほどの人気。近代的な施設だが、田舎の風景とも調和していた」と観光資源としての魅力を感じたという。

 有志は11人で「岐阜まちづくり活性化会」(田神康弘代表)を結成。17年度に県建築士会内の岐阜地域貢献活動センターの助成を受け、月1〜2回の会合で構想を練り上げた。

 高架は高さ約20メートルを想定。長良橋上流部に設ける昇降機から高架に入り、岐阜公園や岐阜大仏などの観光地を経て長良橋通り上を南下。JR岐阜駅から金華橋通りで再び長良川に戻る約10キロの周回コースを思い描く。完成した模型は、透明なチューブの中を観覧船が進み、さながら未来都市のようだ。

 もともとは、若手建築士の自由な発想を育もうと始まったこの構想。総工費650億円を見込むなど実現のハードルは高いが、河本さんは「技術的には十分可能。もし空中水路があったら、どんなに岐阜の街が楽しくなるか。そんな夢や街の将来を語っていきたい」と期待に胸を膨らませる。

 構想発表会は3月10日午後2時から、岐阜市司町のみんなの森ぎふメディアコスモスで。模型やパネル展示もある。