林業者育成へ中核施設 独のノウハウ取り入れ − 岐阜新聞 Web
林業者育成へ中核施設 独のノウハウ取り入れ
2018年01月03日09:43

 岐阜県は新年度、幼児から大人まで幅広い世代が森林への親しみを深める「森林総合教育センター(仮称)」の整備に着手する。林業の人材確保につなげるのが狙い。林業先進国のドイツに学び、県立森林文化アカデミー(美濃市曽代)を拠点にした教育プログラムの開発を進めるほか、中核施設となる「センターハウス」をアカデミー敷地内に建設し、2020年度の全面オープンを目指す。

 県土面積の81%を森林が占め、全国2位の森林率を誇る岐阜県。県は「100年先の森林づくり」を掲げ、50〜60年に偏る民有林の林齢構成を平準化し、木材の安定供給を図るための施策を進める。

 課題は技術者の育成だ。県によると、県内の森林技術者は10年の1166人から16年時点で930人に減少。打開に向け、日本の半分以下の森林面積でありながら3倍以上の木材生産量を誇るなど林業を基幹産業にしている、ドイツの取り組みを参考にする。

 ドイツでは各地に子どもから大人までが体系的に森林を学べる拠点「ハウスデスバルデス(森の家)」が整備され、多彩なプログラムが展開されていることに着目した。

 プログラムで指導役を担うのは、フォレスターと呼ばれる森林技術者。アカデミーの萩原ナバ裕作准教授(森林環境教育)は「ドイツでフォレスターは、子どもたちの憧れの職業。それぐらい森と人との距離が近い」と話し、拠点づくりの必要性を強調。指導者養成の機能も持たせたい考えだ。

 アカデミーは14年、ドイツ・ロッテンブルク林業大と森林や林業分野での連携を図る覚書を締結し、学生や教員の交流事業を積極的に展開。今後、同大のノウハウを取り入れながらプログラムを考案、センターハウスの基本設計もアカデミーの学生を交えて進めていく。涌井史郎学長は「幅広い世代が森林の効用への理解を深め、利活用の方法を実践的に学んでもらい、環境教育や森林を取り扱う技術などのリーダー的人材を育成していきたい」と話している。

 【ハウスデスバルデス(森の家)】ドイツにある森林を学ぶ拠点。森の家を滞在拠点に、昔ながらの道具を使った幼児向けの伐採体験や、育児ストレスを抱えた親が子どもと参加する森林探検、木製カヌー作りなど、年間100回を超える多彩なプログラムを展開している。動物の剥製や樹木の根や葉を使ったオブジェなど、趣向を凝らした展示も特長。