経営支援で日本一 中津川北商工会の松下さん − 岐阜新聞 Web
経営支援で日本一 中津川北商工会の松下さん
2018年01月09日08:11
写真:経営支援で日本一 中津川北商工会の松下さん
間伐材を有効活用して開発した木製キャップカバー「コプリーレ」の製品を紹介する早川謙作さん(左)と松下暁紀さん=中津川市付知町、木が大好き早川木工所

◆間伐材活用、木工所の商品開発支援

 全国の商工会職員を対象にした「経営支援事例発表大会」(全国商工会職員協議会など主催)で、中津川北商工会(中津川市付知町)の経営指導員、松下暁紀さん(45)が日本一の最優秀賞に輝いた。林業が盛んな中津川の間伐材を有効活用し、地元の木工品メーカーが商品開発するのを後押ししたことが高く評価された。大会は過去6回開かれ、同商工会は2度目の日本一という快挙となった。

 松下さんが経営支援したのは、中津川市付知町の木工品メーカー「木が大好き早川木工所」。1975年に創業した家族経営の会社。地元産木材を使い木製食器や墓地の卒塔婆(そとば)などをOEM(相手先ブランドの受託生産)で手掛けており、その比率は100%に近かった。

 2代目の早川謙作さん(51)は利益率が低く、受注にムラの出やすい受託生産中心の経営を見直し、自社製品の比率を高めようと2013年に同商工会に相談した。

 松下さんが着目したのは、元金型職人の早川さんが木工に応用させた精巧な技。木材を丸く加工し、木と木を貼り合わせる高い技術を強みにしていた。一方、地域を回る中で、林業者からは間伐材や放置木の処理に関する悩みの声も聞いていた。

 「木曽桧などの良質な木が育つ気候。間伐材でも高級品になり、単価も抑えられる」。試行錯誤を重ねてたどり着いたのが、木製のキャップカバーだった。

 化粧水や食品などを入れる瓶のふたにかぶせる手のひらサイズの丸い製品で高級感を演出。イタリア語で「ふた」を意味する「コプリーレ」のブランド名で昨年春から売り出した。

 松下さんは市場調査や販売促進などに奔走。補助金獲得や展示会でのPRなど多方面で支援したところ、東京の外資系高級ホテルやインテリアチェーン、お茶販売店などからも注文が入り、売上高の5割強を占める主力商品に成長した。フランスなど海外からの引き合いも増えている。利益率の向上にもつながった。

 地域の小さな会社の再興に役割を果たした商工会。中津川北商工会では松下さんの前任者も2014年度に付知町の写真店への支援事業で日本一に選ばれている。

 早川さんは「税金の相談をするだけの場所だと思っていたが、ビジネスの夢を相談できる唯一の場所」と感謝する。松下さんは「今後も商工会を頼りたいと思ってもらえるよう頑張りたい」と力を込めた。