琵琶湖産オイカワ 木曽三川に広がる − 岐阜新聞 Web
琵琶湖産オイカワ 木曽三川に広がる
2018年01月25日08:43
写真:琵琶湖産オイカワ 木曽三川に広がる
オイカワ(向井貴彦准教授提供)

◆岐阜大准教授ら調査「種の地域性が失われる」

 滋賀県・琵琶湖産の遺伝子を持つオイカワが、木曽三川流域に広く流入していることが、岐阜大学地域科学部の向井貴彦准教授(保全生態学)らの研究グループの調査で分かった。鮎の放流の影響とみられ、向井准教授は「種の地域性が失われている」と指摘する。論文は日本時間の24日、オンラインの国際学術誌プロスワンに掲載された。

 オイカワはコイ科の淡水魚で、北海道を除く国内に広く分布する。シラハエとも呼ばれ、長良川流域の郷土料理「いかだばえ」の材料で知られる。

 研究グループが岐阜・愛知県の43地点で採取した1318匹を分析したところ、木曽三川では調査地点の9割、個体数の17・8%で琵琶湖由来を確認。庄内川流域の土岐川は在来種だけだった。

 琵琶湖は鮎の稚魚の産地で、県内では大正期に放流が始まっており、鮎に交じってオイカワも県内河川に持ち込まれたとみられる。県漁業協同組合連合会によると、現在も全放流量118トン(2017年)のうち、4割を同地に頼っている。

 県内の淡水魚は、100万年以上前から地形的に滋賀と隔離されてきた。同じオイカワでも、生態や色、味などで独自の進化を遂げたとみられるが、そうした地域性が失われた可能性があるという。

 向井准教授は「他の淡水魚でも同じ状況が起きているかもしれない。土岐川に残る在来のオイカワの保護も必要になってくるのではないか」と話している。