親子の結晶 ダウン症の画家有賀さん作品集出版 − 岐阜新聞 Web
親子の結晶 ダウン症の画家有賀さん作品集出版
2018年02月02日07:49
写真:親子の結晶 ダウン症の画家有賀さん作品集出版
作品集の絵に見入る有賀宣美さん(右)と本を手にする韶子さん=多治見市幸町、有賀さん宅

 「のぶさん」から癒やしのメッセージ―。ダウン症の画家有賀宣美(のぶみ)さん(37)=岐阜県多治見市幸町=が、母親の韶(しょう)子さん(79)と絵画作品集「宇宙からのおくりもの」を出版した。創造性あふれる明るい色の絵画と、韶子さんの心のこもった詩を収めた。

 韶子さんは「のぶさんはいつまでも天真爛漫(らんまん)で自分らしさを発揮している」と娘を優しく見つめる。宣美さんは5人きょうだいの末っ子で生まれてすぐダウン症と診断された。

 医師からは「命は1週間がヤマ場。助かっても一生涯知的障害が残る」と言われたものの、2、3歳の頃には真っすぐで美しい1本の線を描き韶子さんを感動させ、以来、創作活動が始まった。

 絵画は自宅で制作し、これまで各地で個展を開き詩画集も発行した。2年前には県芸術文化奨励も受け、記念に開かれた個展ではアンケートで「生きる喜びにあふれている」などの賛辞が寄せられ、感謝を込め今回の出版に至った。

 作品集はA4サイズでマジックや色鉛筆などで描いた宣美さんの絵画37点を収録。それぞれに韶子さんの詩を添えた。昇る太陽が三つ並んだ「おひさま」、太陽から見た友達の家やプール、畑を描いた「ぼくらのおうち」など身近な素材を純真な目線と独特の色使いで表現している。

 韶子さんは「作品集のタイトル通り、10年ほど前はのぶさんは宇宙からのおくりものだと思っていたが、作品集の絵を見ていたら、のぶさん自身が宇宙からもらったおくりものを絵で表現したのだと感じた」と語る。

 同市小泉町の小泉公民館では宣美さんの作品展を開催中。4日午後2時からは同公民館で出版記念コンサートが開かれる。バイオリニスト遠藤和さんの演奏や韶子さんによる詩の朗読がある。宣美さんも参加する。入場無料。

 作品集は有賀さん宅や東文堂テラ店(多治見市)などで取り扱う。問い合わせは有賀さん、電話0572(27)2622。