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新刊レビュー/2017年12月15日 11:59
『bonとpon ふたりの暮らし』bonpon著 二人で一人のコーディネート
 

 bonponをご存知だろうか?

 bonさんとponさんによるユニットで、インスタグラムのフォロワー数が60万人を超える大人気なのである。

 二人は仙台在住の60代の夫婦であり、ともに白髪で眼鏡、そしてオシャレ好き。インスタには彼らが様々な場所にお揃いのコーディネートで出かける写真が載せられていて、その姿が「可愛らしい」「微笑ましい」、そして「羨ましい」と話題だ。

 お揃いのコーディネートといっても、所謂ペアルックではなく、二人の身につけるものを一部分だけ「リンク」させるのがbonpon流。たとえばponさん(妻)の赤いスカートに、bonさん(夫)は赤い靴下を。ponさんのタータンチェックのパンツに、bonさんは同じ柄のダッフルコートを。今日は二人ともモノトーンでまとめる、なんて日もある。

 bonpon曰く、まるっきり合わせるのは恥ずかしいけれど、ちょっと合わせるのは楽しい、とのこと。見ている側も確かにそうで、ペアルックを前にした時の「見てしまった」という感覚はなく、その節度ある仲良し具合に、和み、癒されるような気持ちになるのである。

 二人のファッションアイテムがたくさん紹介され、コーディネートの具体的なポイントも詳しく解説されている本書は、とても実用的であることを意識して編まれている。これを参考にして私たちも、と考える方もいるであろうが、多くの人は私のように、ここに一つの幸せな夫婦の形を見つけたことに感慨を覚えるはずだ。

 bonponのコーディネートが、二人が並ぶことによって完成しているように、彼ら夫婦は自分たちのことを「二人で一人前」と認識している。そうであることが自分たちには相応しいと考えているのだ。

 それぞれが自立した個人であるべきだ、などなど「夫婦たるもの」という話は様々な場所で語られ続けているし、そもそも結婚の意味すら問い直されていて久しいが、このように「二人で一人前」という価値観をなんの衒いもなく軽快に見せられると、なるほどこういうのもありだったのだと改めて驚いたりするのである。

(主婦の友インフォス刊 1200円+税)=日野淳