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| おすすめシネマ/2012年05月18日 15:27 |
| 『私が、生きる肌』 あまりのアルモドバルぶりに拍手 |
フレンチホラーの古典『顔のない眼』を彷彿させるアルモドバルの新作だ。代表作『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』のような映画を期待すると、設定の強引さと初期作品に逆戻りしたかのような“キワモノ”感に戸惑うことになるだろう。亡き妻そっくりの美女を創り上げるべく、若い女性を監禁して人工皮膚の遺伝子実験に没頭する天才医師の狂気を描いている。
ここからも分かるように、本作はホラー映画ではないものの、物語のフォーマットは明らかにホラー映画のそれ。アルモドバル自身も、『顔のない眼』だけでなく、ヒチコックやユニバーサル・ホラーの『フランケンシュタイン』、イタリアのジャッロ映画などにインスパイアされて撮ったことを認めている。つまり“ジャンル映画”のフォーマットを借りることで、自らのテーマを深化させられると考えたわけだ。
実際、主人公の狂気は描いていても、テーマ自体はそこにとどまっていない。だからこそ、後半の衝撃の展開に唖然となりながらも、あるいは生理的に受けつけなかったとしても、そのあまりのアルモドバルぶりに拍手したくなるのだ。これは、ジャンル映画のいかにもなフォーマットだからこそ成立しえた“究極のアルモドバル映画”と言えるのではないだろうか。★★★★☆(外山真也)
【データ】
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス
5月26日(土)から全国順次公開
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