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おすすめシネマ/2017年10月17日 08:03
『女神の見えざる手』 野心家の天才ロビイストは最高の性悪女!
(C) 2016 EUROPACORP-FRANCE 2 CINEMA
 

 私たち日本人には馴染みのないロビイストと呼ばれる職業は、議員や政府に働きかけて影響を及ぼし、権力を操作して、世論をも動かしていく人たちのことを言います。クライアントにとって有益にことが運ぶように根回ししていく人たちなので、悪い印象を持たれがちですが、アメリカではれっきとした職業。ジェシカ・チャステインが演じるのは、凄腕のロビイストであるエリザベス・スローン。いつだって貪欲で、いつだって勝ちにこだわり、そして金とパワーを持った女性です。

 何もかもを手にしていたエリザベスは、ある日「銃規制法案」廃案のために国民を懐柔するように言われます。それに反対した彼女はたった一人、銃規制のために闘うロビイストとしての活動を開始するのです。アメリカで、銃規制ほど難しい問題はありません。多分、永久に解決することはないのではないかというほどいつまでも平行線。そして私たち観客は、彼女が銃反対派に寝返った瞬間から、銃の擁護派に楯突くことがどれほどのリスクをもたらすのかを知らされます。さまざまな問題を切り抜けながら、逆転に次ぐ逆転劇で世論をどんどんひっくり返していくのはまるでスポーツのゲームを見ているみたいに興奮します!

 敵にも味方にもしたくないヒロインですが、私は彼女のような性悪女が大好きです。不屈の精神力を持ち、自分の信念は絶対に曲げない。そのためにはなんだってする彼女の姿勢がかっこいい。絶対に涙を見せない強くてタフなエリザベスは現代社会の女性にとって新しいヒーロー像になるはず!★★★★★(森田真帆)

10月20日(金)から全国順次公開

監督:ジョン・マッデン

出演:ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ジョン・リスゴー