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おすすめシネマ/2017年06月13日 11:05
『ドッグ・イート・ドッグ』 優等生は絶対に観ないでください
(C)2015 BLUE BUDGIE DED PRODUCTIONS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
 

 ハリウッドに生まれ育ち、ちっちゃな頃から悪ガキで刑務所にも入っていたハードボイルド作家エディー・バンカーの同名作を、名作『タクシードライバー』や『レイジング・ブル』の脚本を手がけたポール・シュレイダーが映画化した作品。タランティーノ監督が心酔する作家として知られているエディーは2005年に亡くなったのですが、映画『レザボア・ドッグス』にミスター・ブルーという役で友情出演もしている面白い人です。

 「ドッグ・イート・ドッグ」というタイトルは原題そのままなのですが、「犬が犬を食う」、つまり共食いのスラングです。悪い奴は悪い奴に淘汰されていくという自然の原理ですね。そのタイトルの通り、この映画に登場するのはどうしようもない悪い奴らばかり。主人公は、ムショ仲間の3悪人。ニコラス・ケイジ演じる、裁判中に警備員の銃を奪ってあっさりとっ捕まって5年の刑が15年に増えたというマヌケすぎる犯罪者のトロイ、ウィレム・デフォーが演じるヤク中のクレイジーな男マッド・ドッグ、そして怒り出したら止まらない巨漢のディーゼル。

 有名な批評サイトでボロクソに叩かれていた本作ですが、観たら思わず「こりゃひどい!」と声が出るほどひっどく下品で悪趣味。サイコーな映画でした。悪い男って憧れるけど、実際に付き合って突然鼻へし折られたらすぐに現実に気づくでしょう? でも、悪というのはそんなもの。この映画の悪たちは、女も子供も平気で殺してしまう本物のダメな人たちです。そんな奴らの物語ですから、優等生が見たらすぐにクレーム入れたくなるはず。怒る? 楽しんじゃう? この映画をどう観るかは、お任せします! ★★★★☆(森田真帆)

監督:ポール・シュレイダー

キャスト:ニコラス・ケイジ、ウィレム・デフォー、クリストファー・マシュー・クック

6月17日から全国順次公開