エンタメTop
新刊レビュー
音楽玉手箱
フロントライン
 
おすすめシネマ/2017年11月21日 08:02
『gifted/ギフテッド』 天才少女と叔父の絆から家族の素晴らしさ描く
(C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
 

 マーク・ウェブは、2009年の監督デビュー作『(500)日のサマー』で、いきなりブレークを果たした。この年の流行語にもなった“草食系男子”の恋を、PV出身監督らしいギミックに凝った演出で描いた点が新鮮だった。その彼が次に選んだ題材が、超大作のスパイダーマンだったことに失望した人も多かったようで、本作の宣伝にも「マーク・ウェブ監督がチャーミングでハートフルな映画に帰ってきた!」という文句が使われている。

 確かに、数学の天才少女と叔父(亡き母親の弟)の絆を通じて、家族の素晴らしさ、普通に生きることの重要性を説いた今回の新作は、地に足の着いたまっとうな映画。一見、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズとは対極にあるように思える。だが、地に足を着けずに移動するアメコミ・ヒーローに仮託してマーク・ウェブが描いたのは、大人=社会人になるとはどういうことか?という、至って地に足の着いたテーマだった。つまり、特別な才能を持つ主人公、まっとうなテーマ、しかも叔父役はキャプテン・アメリカことクリス・エヴァンスなのだから、本作は明らかに『〜スパイダーマン』の延長線上にある作品と言っていい。

 ただし、今回はギミックを駆使した遊び心満載の演出も少なく、アメコミの世界観という飛躍したメタファーもない分、まっとう過ぎるテーマが前面に押し出されて、やや窮屈。もちろん、そのブレない作家性には敬意を表するが。★★★★☆(外山真也)

監督:マーク・ウェブ

脚本:トム・フリン

出演:クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス

11月23日(木・祝)から全国公開