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エンタメ・フロントライン/2017年03月30日 12:45
ヒット曲生まれにくい時代の個性 バイオリンとロック融合させたAyasa
イベント「Coming Next 2017」で演奏するAyasa(日本レコード協会提供)
 

 誰もが知っているようなヒット曲が、生まれにくくなったと言われて久しい。このコラムを執筆するにあたり、2017年の音楽の流行や見通しをテーマにしようかと考えたが、傾向と言えるほどのものはなかなか見あたらず、早々にあきらめた。音楽のジャンルと好みがあまりにも多様化し、「音楽」とひとくくりにして語ることが、さらに難しくなってきているからだ。

 あえて言うならば、タイトルに「TOKYO」を用いた楽曲が最近目立つということだろうか。3人組ユニット「Perfume」が歌う「TOKYO GIRL」や、ロックバンド「MAN WITH A MISSION」の「Dead End in Tokyo」などが代表例で、2020年の東京五輪に向けて、この動きは強まっていくのかもしれない。

 ただ、そんな時代にも人が音楽を求める限り、ヒット曲は決してなくならない。シンガー・ソングライターの星野源が歌う「恋」は昨年秋にビルボードの国内向け総合チャートで首位に輝いた後も好調をキープし続けている。3月末のランキングでも3位に入るなど、その勢いはいまだにかげりをみせていない。年末年始の話題を独占したピコ太郎の「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」も同じ3月末のランキングで30位と、これもまた粘り強さをみせている。

 次にブレークするアーティストは誰なのか―。そのヒントを得ようと、3月23日に東京・豊洲のライブハウスで開かれたイベント「Coming Next 2017」を取材した。ユニバーサルやビクターなど日本レコード協会加盟の18社が一押しする若手アーティストが出演する催しで、今年で3回目。昨年の日本レコード大賞で新人賞を獲得した男性グループ「BOYS AND MEN」も参加し、会場は熱気に包まれた。

 その中で私の目にひときわ輝いてみえたのが、バイオリニストのAyasaだ。イベントに出演していたのはバンドやアイドル、シンガーが中心で、インストゥルメンタルのミュージシャンは異色の存在だったが、ステージが終わるころにはバイオリンとロックと融合させたサウンドで観客の気持ちをガッチリとつかんでいた。クラシックの楽器のイメージが強いバイオリンでここまで自由な表現が可能であることに素直に驚きを感じたし、楽器の潜在能力を最大限に引き出しているように思えた。

 このイベントの模様はインターネットの「AbemaTV」でも4月23日午後5時から流される。新しいアーティストの音楽を聴いてみたいと考えている皆さん。お気に入りのアーティストを探してみてはいかがでしょうか。(松木浩明・共同通信記者)