エンタメTop
新刊レビュー
おすすめシネマ
フロントライン
 
音楽玉手箱/2017年12月20日 08:02
<ブレーク盤> 丘みどり『The First Album〜みどりの風〜』 紅白初出場。母親への感謝をつづった曲は絶品
丘みどり『The First Album〜みどりの風〜』
 

 2017年、紅白初出場を決めた女性演歌歌手。初アルバムとはいえ、キャリア13年で安定感は抜群だ。

 前半の6曲はオリジナル。前年の『霧の川』と最新作『佐渡の夕笛』で、同じ報われぬ恋を歌いながらも、たった1年での哀しみの深化に思わず息をのむ。タフな歌声も説得力が増して良い。全般に蔭りのある歌が上手いが、母親への感謝をつづった『何度も何度も〜母への想い〜』は、また別次元で絶品。特に、「生んでくれてありがとう」や「心配かけてごめんなさい」の部分は他人事には思えないほどの熱唱ぶりだ。

 後半の6曲は昭和の名曲をカバー。ここでも情念系の『北の螢』と、耐え忍ぶ母への思慕をつづった『雪椿』に強く惹かれる。また、高島礼子系の美人顔も相まって『氷雨』や『酒場にて』の選曲も良い。全12曲、不得手な感じがなく、これも苦節の賜物だろう。

 紅白による認知度と、急伸する表現力のW効果で、2018年は更に飛躍しそうだ。本作により、演歌の世界がもっと身近に感じられるはず。

(キング・2778円+税)=臼井孝