よみがえる昭和の町
高山昭和館(高山市)
セクシーポーズを決める由美かおるの「アース渦巻」、ずれ落ちた丸めがねが印象的な大村崑の「オロナミンC」―。色あせ、さびが浮いた琺瑯(ほうろう)看板も、昭和の町並みに溶け込んで、不思議な輝きを放っている。
高山市下一之町にある高山昭和館。長野県在住の館長五味輝一さん(69)のコレクションを中心に、年代物の車や生活用品などを、昭和30―40年代の町並みの中で展示。昨年8月のオープン以来、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっている。
映画「キューポラのある街」の巨大看板が同館の目印。入り口には、ここ数年の昭和ブームの火付け役となった映画「ALWAYS3丁目の夕日」に登場したオート三輪ミゼットなどの自動車がずらり。愛嬌(あいきょう)のあるフォルムは、当時を知る人の誰もが記憶しているはず。
電器店やおもちゃ屋、医院などが軒を連ねる路地で、当時の生活や流行を体感できる点がユニーク。「見て、触って、においをかいで思い出をよみがえらせてほしい」という五味さんは、手動式の洗濯機や塩化ビニール製のウルトラ怪獣など、普通ならガラスケースに収蔵する“お宝”を、あえて入館者の手が届く距離に置いた。
医院の床には少量のクレゾールせっけん液をまき、室内に漂う独特のにおいで入館者の遠い記憶を手繰り寄せる。フラフープやホッピングで遊べるスペースもあり、もはや「懐かしい」と感じる世代のためだけの博物館ではない魅力がある。
同館は、季節ごとに展示品を入れ替えるなど、内容を常に変化させている。今日はどんな思い出がよみがえるのか。自分の中にある「昭和」を探しに行こう。
▽交通 中部縦貫自動車道高山清見道路高山ICから15分。JR高山駅から徒歩15分▽入場料 一般600円、小中学生400円▽開館時間 午前9時から午後5時まで(4―10月は午後6時まで)、年中無休▽問い合わせ 高山昭和館、電話0577(33)7836。

館内に広がる昭和30―40年代の町並み。電器店や理髪店、おもちゃ屋などが軒を連ね、タイムスリップした気分になれる=高山市下一之町、高山昭和館

廃校になった小学校から譲り受けた机、いす、給食用の食器などを集めて再現された教室。童心に帰った来館者が黒板に落書きを残していく=高山市下一之町、高山昭和館
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