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古里の旅

郷愁 美しい山里風景 

坂折棚田(恵那市) 

 訪れた人たちに郷愁の念を抱かせるような美しい山里の風景を今に伝える恵那市中野方町の「坂折棚田」。四季折々の表情を写真や絵画に収めようと、稲刈りの季節や田植えの時季には県内外から大勢の写真愛好家や絵画愛好家たちが集まる。

 坂折棚田の特徴は、山すその急斜面に石を積んで棚田が造られている点だ。城郭などの石垣を積む職人「石工黒鍬(くろくわ)」が、江戸時代に築いたと伝えられている。1999(平成11)年に農林水産省から「日本の棚田百選」の一つとして選定され、2003年には「第9回全国棚田(千枚田)サミット」を開催。農山村文化の価値を再確認しようと毎年全国各地で催されている同サミットを機に、多くの観光客が立ち寄る観光スポットとしての地位を築いていった。

 一番の見ごろは秋の収穫直前。風に揺らぎながら金色に輝く稲穂と灰色の石垣とのコントラストは見る者を魅了する。また田植えのシーズンもお薦め。幾重にも連なる棚田に水が張られると、鏡のように春の陽光を反射させる。特に日の出のころには棚田全体がきらきらと輝くように見える。

 06年には地元住民らが「恵那市坂折棚田保存会」を結成。地元の小学生らを対象にした米作り教室や、都市部の住民に米作りを体験してもらう棚田オーナー制度、石積みの技術を学ぶ講座、棚田米を用いた日本酒造りなど、さまざまな活動で坂折棚田の保全と観光地としての振興を図っている。

 今春には檜皮(ひわだ)ぶきの小屋を整備し、観光客をもてなせる施設にしていく方針。

 日本の原風景ともいえる「棚田のある田園地帯」。懐かしささえ感じる美しさをぜひ一度自らの目で確認してみては。

メモ

 ▽交通 中央自動車道恵那ICから車で20分。JR・明知鉄道恵那駅から定期バス中野方線勢井後バス停下車、徒歩10分▽問い合わせ 恵那市商工観光課観光交流室、または同市経済部農業振興課、いずれも電話0573(26)2111。 

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収穫期を迎えた坂折棚田。一面に広がる稲穂が豊かな実りをたたえて金色に輝く=恵那市中野方町

収穫期を迎えた坂折棚田。一面に広がる稲穂が豊かな実りをたたえて金色に輝く=恵那市中野方町

郷土の誇り坂折棚田で、楽しそうに稲刈りを体験する地元の小学生たち

郷土の誇り坂折棚田で、楽しそうに稲刈りを体験する地元の小学生たち

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