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いい旅・いい味 ぎふ巡り

古里の旅

地歌舞伎、庶民の娯楽

芝居小屋「常盤座」(中津川市高山)

 古くから地歌舞伎が盛んな東濃地域。中津川市高山の山あいの田園地帯にたたずむ木造の芝居小屋「常盤座」は1891(明治24)年、鎮守の常磐神社に寄り添うようにして開設された。毎年春になると、地元住民でつくる常盤座歌舞伎保存会が華やかな歌舞伎を演じ、大勢の見物客でにぎわいを見せる。

 建物は、瓦ぶきの入り母屋造りで切り妻、妻入りの様式。中に入ると、役者が登場する花道には、本花道と仮花道があり、回り舞台は奈落の底で人の手によって回される。舞台上手袖には三味線や鳴り物の太夫座。客席は板張りで、コの字型に桟敷が造られている。階段を上がった2階席からも見物可能。

 常盤座の手ぬぐいはファンに人気の土産物だ。今年8月には、常盤座名誉館長に国内外で活動する和太鼓奏者の加藤拓三さん=恵那市大井町=が就任した。

 常磐神社に隣接して建つ常盤座だが、漢字の部首は「石」と「皿」で違いがある。これは、神をまつり、村を守る神社と、庶民が娯楽を楽しむ芝居小屋の役割の違いを漢字で表したとも言われる。

 歌舞伎の舞台としての華やかな表情だけでなく、暗い歴史も持つ。太平洋戦争中、庶民の娯楽の場は、旧日本軍の弾薬箱などを置く軍需倉庫となった。近くの北恵那鉄道の駅から常盤座までの山道では、弾薬箱を背負った子どもらが列になって歩く姿が見られたという。

 当時の様子を記憶する地元の大橋実さん(86)は「歌舞伎は庶民の娯楽であり、平和の象徴。二度と悲しい歴史に染まってほしくない」と願いを込める。

メモ

 ▽交通JR中津川駅から車で約20分、中央自動車道中津川インターから車で約30分▽問い合わせ 中津川市福岡総合事務所、電話0573(72)2111

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「菅原伝授手習鑑」などが演じられた今春の地歌舞伎公演

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明治期に建てられた庶民の娯楽の場=いずれも中津川市高山、常盤座

明治期に建てられた庶民の娯楽の場=いずれも中津川市高山、常盤座

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