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景気の低迷で個人消費が不振な中、業績が2けた成長しているエービーシー・マート(東京都渋谷区)。年間50店舗のペースで全国に靴専門店「ABCマート」の出店を続けている。「ブランド靴を安く提供するとともに、現場の力が他社とは違う」と胸を張る野口実社長(43)=美濃加茂市出身=に、業績好調の要因として特に社員のモチベーションを上げる秘けつなどを聞いた。
―ブランド品のHAWKINSなどをリーズナブルな価格で提供できる理由は。
「私が入社した当時の会社は、年商が35億円で卸売りが中心だった。その後、英国ブランドのHAWKINSの商標権を取得し、自社で企画開発して販売、売り上げが拡大した。メーカーからは直接商品を仕入れ、輸入は商社を通さないので中間コストがかからない。ビジネスシューズに特化し『2足目半額』も取り入れた。7、8年前から小売り戦略を強め、出店を一気に加速させた」
―もう一つの強みというスタッフをどう育てているのか。
「一つにはマニュアルがない。マニュアルは1人のスタッフができる範囲を限ることにもなる。そうなると、仕事に広がりが出ないし、考える楽しさをなくしてしまう。もう一つはノルマがない。店には売り上げ目標があるが、個人には業績給のようなインセンティブはない。スタッフは皆、自分たちの名誉欲でやっているようだ」
―社員のモチベーションの高さには驚く。
「一生懸命やることが格好いいんだ、という風土が社内にはある。『売るやつは格好いい』と。不まじめな人、要領がいいだけの人は自然と会社に残らない。今の若い子は皆まじめなので、会社はその舞台をつくることが大事だ」
―POSシステムが社内競争に生かされているのではないか。
「システム開発をする時に、売り上げと在庫に関する情報はリアルタイムに見られるようにこだわってつくった。他の店がいま、いくら売っているかが分かるので、自然に競争心がわいてくる」
―年間50店舗を出店する積極経営を続けている。今後の展開は。
「総合型の今のABCマートの業態なら、国内で1千店舗まで出店できる。さらに、業態を変えればもっとだ。今年はレディース専門店を一気に広げていく方針だ」
―最後に、古里の岐阜県に対する思いを。
「山も川もあり、高山や下呂温泉は全国的にも有名だ。もっと観光産業に力を入れていくべきだと思う」
【2009年 8月29日岐阜新聞】
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