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魚類の生態調査を通した長良川の変化を語る後藤宮子さん=関市下白金
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県内の河川は、戦前までは舟運で山と海とを結び、戦時の食糧難には魚が流域の人々の命をつなぎ、戦後のダム開発では利水と発電が産業振興の礎となった。恩恵を一方的に受け取った結果、川の流れは断ち切られた。
関市の長良川と津保川で1967(昭和42)年から30年にわたり魚類の生態を調査してきた魚類研究者の後藤宮子さん(84)=同市下白金=は、魚を通して川の変化をつぶさに見てきた。
後藤さんは「経済成長期は工場や家庭からの雑排水が川を汚し、護岸や堰(せき)の建設が川の姿を変えた。公害が収まったと思ったら、長良川河口堰が運用を開始し、魚種も漁獲量も減った」と振り返る。郡上市美並町で郡上竿(さお)を作る福手福雄さん(75)は「川から鮎の香りが消えた」と川を見るたび嘆く。
ダムや河川改修が川や生物の多様性を壊したという反省から、政権交代を経て川の再生が各地で叫ばれている。群馬県の八ツ場ダムに象徴される国の公共事業見直しのうねりは県内各地にも及ぶ。
国は昨年12月、揖斐郡揖斐川町の徳山ダムの水を長良川と木曽川に流す木曽川水系連絡導水路事業の凍結継続を決め、新丸山ダム(加茂郡八百津町、可児郡御嵩町)を検証対象とした。さらに県が事業主体となる補助ダムでは、大島ダム(高山市)と内ケ谷ダム(郡上市)、水無瀬生活貯水池(加茂郡川辺町)の検証を県に求めている。
川の再生について、郡上市と岐阜市でサツキマスの産卵観察会を開く郡上市大和町の長良川水系・水を守る会事務局長亀崎敬介さん(41)は「ダム建設が一時的に見直され、川の環境や水質が改善しても、人の意識が変わらなければ意味がない」と語る。自然とのかかわりや暮らしの在り方が山・川・海の循環に違和感なく溶け込むような意識の劇的な転換(パラダイムシフト)が求められている。
(ぎふ海流取材班)
=第3章おわり=
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