ふるさとへの便り

ガーナのケープコースト

HIVの予防啓発 10代若者の性教育に力
写真:ピアエデュケーターによるコンドームデモンストレーション=ガーナ・ケープコースト

ピアエデュケーターによるコンドームデモンストレーション=ガーナ・ケープコースト

 私は現在、ガーナ共和国の南部、ギニア湾に面するケープコーストという地で活動をしています。この地は15〜19世紀に奴隷貿易が行われていたことで有名な地です。

 奴隷貿易の場であったケープコースト城は、現在、世界文化遺産にも指定され多くの観光客が訪れ、悲惨な歴史に触れています。また、ケープコーストはギニア湾に面しており、漁が盛んに行われているため、マーケットには数多くの魚が売られています。

 私の配属先はPPAG(ガーナ家族計画協会)というNGOで、主にガーナ国内の家族計画の指導、STI(性感染症)、HIV/AIDSの予防啓発を行っています。その中でも、私はHIV/AIDSの予防啓発に関わり活動しています。

 ガーナのHIV陽性者数は2%以下と他アフリカ諸国に比べ低値を示しているものの、HIV/AIDSは国内の大きな問題の一つです。そのため、病院や診療所にCT(カウンセリングとHIV抗体検査)センターが設けられており無料で受検できますが、自ら訪れる人は多くありません。

 そのため、私たちは村やコミュニティー、学校などへ出向き、CTを行っています。しかし、「自分の状態を知るのが怖い」「陽性であった場合のスティグマ(社会的差別)が怖い」等の理由で受検者が集まらないこともあります。そこで、私たちがCTの重要性を説明し、受検者数を増やす活動をしています。

 その他に、「ピアエデュケーター」と呼ばれる10代のボランティアの若者たちへの性教育に力を入れています。彼らが同世代へ正しい知識を伝えることや、行動変容を促すことの方が医療者よりも影響力を持つことがあるからです。このような草の根からの変化に期待しながら、一人でも多くの人の感染を防げたらという思いで、日々の活動をしています。

 最後になりましたが、連日のように海外のニュースでも地震の被害状況が流れており、現地の人々からも心配する声が多く聞かれます。このたびの東日本大震災により多くの尊い命が失われたことに哀悼の意をささげるとともに、被害に遭われた皆さまには謹んでお見舞い申し上げます。一日でも早い復興を心よりお祈り申しあげます。

【山田剛司さん】
写真:山田剛司さん
 やまだ・つよし 看護師を経て、2009年9月から2年間、青年海外協力隊員としてガーナ共和国に派遣。現地NGOでHIV/AIDS・STI等の予防啓発活動を行っている。岐阜市出身。29歳。

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