ふるさとへの便り

上海で語学留学

韓国人の数に圧倒 強い海外志向を裏付け
写真:留学生でにぎわう韓国式焼肉店=上海

留学生でにぎわう韓国式焼肉店=上海

 昨年9月より中国語学研修生として上海の大学に留学しています。私の通う大学では4年間大学に通う本科生(専攻課程)と短期留学生(語言生)併せて99カ国から1千名を超える外国人留学生が日々学んでいます。

 学生数はリーマン・ショック以降横ばいで推移していますが、5〜10年前と比べると2倍、3倍と右肩上がりで増加しています。在籍する留学生の国別内訳で、最も多い国が韓国で総勢300名弱、続いてカザフスタン100名超、日本人が50名弱の順に続きます。

 特筆すべきは韓国人留学生の数です。韓国人留学生が多いという傾向は上海の他大学、北京・広州等の他地域においても共通しているようです。韓国の総人口は5千万人程度で、日本人口の半分以下であることから考えても、留学比率が高いことを推し量ることができます。

 私の通う大学周辺には韓国料理の飲食店街があり、店内は同国留学生でにぎわっています。それは同国の留学生数が多いことの裏返しとも言え、韓国コミュニティーが当地で成り立っている様子が見受けられます。

 次に、韓国留学生の特徴として本科生の割合が高い点が挙げられます。日本人の本科生が20名弱に対して韓国人本科生は200名強。韓国人本科生に留学理由を問うと、「両親に諭されて」との回答が意外に多く、本人の意思で中国での学生生活を選択したというよりは、両親からの強い勧めがあるようです。

 ただし、韓国人留学生の大多数は両親ないし祖父母が中国人といった血縁的なつながりはなく、東南アジアからの華僑系留学生のように普段から中国語を話す家庭で育ったわけではありません。それでも隣国へわが子を送り出す背景には、「韓国国内における熾(し)烈な大学受験を選ぶより、早くから国際感覚を身に付けさせたい」との韓国人父母の思いが強く働いているようです。

 一方、短期留学の韓国人学生は、就職活動を念頭に留学してきています。聞くところによると、韓国の大学生の半数以上は国外留学を経験するそうです。同国では留学経験を重視する企業が多く、就職活動時のアピール材料として欠かせないことが学生の留学動機となっているようです。

 いずれにしても、韓国の国民性として海外志向が強いことは、ここ上海からもうかがい知ることができます。日本・韓国は先進国としてくくられ、少子化等の社会問題も共通し、両国の置かれる状況は近似していますが、海外留学生の数では日本が韓国に後れをとっているのが現状です。学生らが次の成長に眼を向ける際に海外留学は有効な手段の一つであると考えます。今後、日本人留学生が増加していくことを期待しています。

【桑原草太さん】
写真:桑原草太さん
 くわばら・そうた 06年大垣共立銀行入行。名古屋市内と岐阜市内での営業店業務を経て、10年9月より上海財経大学に中国語学研修生として留学中。愛知県出身。28歳。

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