ふるさとへの便り

モザンビーク

湿地帯開発に注力 米作などの農業可能に
写真:モザンビークにて

モザンビークにて

 アフリカのモザンビークに来て9カ月がたった。所属先は農業省で地方局に当たる、DPA|Maputoである。指導科目は灌漑(かんがい)工事・計画でJICAシニア海外ボランティアとしても初めての派遣となる。

 むろん、外国からの支援団体はここにはいまだ入っていない。私を除き、100人を超える職員たちは全てアフリカ人である。着任時にあれだけ「日本から来た」と、あいさつ回りをしたにもかかわらず、今でも私を中国人と間違う人が多く困惑する。

 モザンビークに住んでいる日本人はほんの200人足らずと聞くと、これも納得できる。国の面積は日本の2倍を少し超えるそうだ。人口は2200万人で首都はMAPUTOである。

 サバンナ気候にあり、南緯26度と北緯で沖縄の那覇に近い。国の南部に位置する当地の雨量は年間700ミリ程で日本の半分弱。真夏の雨季でさえジメジメさはあまり感じなくサラサラしているので助かる。象、キリン、ライオン、シマウマなど野生動物の天国であり、人類発祥地とも言われているのもなんとなくうなずける。

 さて、活動のほうであるが、今のところ現場管理を主にやっている。

 数年前の灌漑工事の出来、不出来具合を政府機関の技術者たちや国連機関(FAO)の現地スタッフ、それに協力会社の幹部職員などと回っては不具合を遠慮なく指摘している。

 今はここから100キロ北の国道1号線沿い東で、500ヘクタールの田んぼをゆっくり作っている。

 以前は葦(アシ)の生い茂った一面湿地帯であったものを、素掘りの排水路網をつくることにより地下水位を下げ、米作を可能にしようとの計画である。黒色土で堤防兼道路隣では既にサトウキビのプランテーションが広がっている。

 またこの国道沿い西では同様に続くアシの原野がそのまま開発を待っている。われわれ日本人にはヨダレが出るような話である。街に近く、ちょっと手を加えれば食糧の宝庫となれそうな土地が至る所に存在するのも農業国を目指すモザンビークの魅力である。

【山路逸也さん】
写真:山路逸也さんさん
 やまじ・いつや 定年後、シニア海外ボランティアとして、自然保護やエコツーリズムの促進に携わる。現在、3回目の派遣としてモザンビークの灌漑計画や開発に従事。可児市出身。68歳。

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