ふるさとへの便り

ベトナムのホーチミン

外資系企業が進出 社会主義と異なる印象
写真:ホーチミン市にあるサイゴン駅

ホーチミン市にあるサイゴン駅

 私は現在ベトナム南部の都市ホーチミンに駐在しています。ホーチミンはベトナム最大の商業都市で、ベトナム戦争が終結する1975年までは南ベトナムの首都で「サイゴン」と呼ばれていました。今でも鉄道の駅はホーチミン駅ではなく「サイゴン駅」、ホーチミン(タンソンニャット)空港のコードもサイゴンの「SGN」(参考:中部国際空港は名古屋空港の名残で空港コードは「NGO」)と表記されたりなどいたるところに名残があります。

 ホーチミン市の人口は約700万人。人口は年々増加し、朝晩の通勤時間はロータリーや通りなどはバイクであふれかえります。まさにバイクの洪水と言っても過言ではありません。ホーチミン市のバイクの普及率が97%という統計はそれらの光景を見ると納得できます。

 ホーチミン市中心部では日本や韓国などの外資系企業の広告看板が林立し、通りにはお洒落(しゃれ)なカフェやレストランが点在しています。初めて訪れる日本人にとっては、私が赴任当初そうであったように普段イメージする社会主義の国とは大きく異なる印象を持つ人が多いことでしょう。

 ベトナムには毎年多くの外国人が訪れ、2011年の入国者数は約601万人(うち観光目的は約6割強)で、同年の日本からの入国者数とともに統計開始以来過去最高を記録しました。

 順調に外国人観光客を増やしている一方で課題もあります。近隣国のタイやシンガポールと比べると観光目的のリピート客(2回目または3回目)が少ないことです。背景には5つ星ホテル等の外国人を魅了するような高級ホテルがまだ少ないことや、深刻な渋滞など道路事情が悪く移動に時間を要すること等があります。

 ベトナムには数々の世界遺産や美しい自然、少数民族が住む地域、ここホーチミンにおいても歴史の舞台となった統一会堂(旧大統領官邸)やフランス統治時代の歴史的建築物など観光資源が豊富にあります。今後、外国人観光客とリピート客を集客するためのインフラ整備は外国企業を誘致するなどビジネスにおいても有益となることでしょう。

【竹山弘昭さん】
写真:竹山弘昭さん
たけやま・ひろあき 十六銀行市場国際部海外ビジネスサポートデスク所属。2011年4月から独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)へ派遣。東京本部勤務を経て、11年10月からホーチミン事務所勤務。瑞穂市出身、35歳。

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