ふるさとへの便り

ベトナムの披露宴

お国柄反映 定刻に始まらず自由解散
写真:ベトナムの結婚式の様子

ベトナムの結婚式の様子

 ベトナムは国民の平均年齢が27歳、30歳以下の年齢層が全体の約53%と若く、結婚適齢期にある男女が多い国です。私は当地に滞在して約1年になりますが、ほぼ月1回のペースでベトナム人カップルの結婚式に出席しています。今回は当地のウエディング事情についてリポートします。

 結婚式の日取りは、日本でも大安など吉日を選ぶ習慣があるように、ベトナムでも占い師を使って日柄を選ぶなど縁起を担ぐようです。披露宴は町のレストランで行われることが多く、親類縁者知人を合わせ数百人規模を招待するのが一般的です。年々縮小傾向にある日本とは事情が違います。

 披露宴は案内状に記載された定刻に始まることはなく、1時間ぐらいかけて徐々に招待客が集まります。招待客は日本と同様、ご祝儀を受付で渡し、記帳の代わりに布や色紙にサインをします。ご祝儀の相場は10万〜100万ドン(400〜4千円)程度です。

 会場の受付脇で目を引くのが前撮りした大きな写真パネルです。ホーチミン市中心部にあるサイゴン大教会はウエディング撮影のメッカで、観光客が間近で見ていようがお構いなく毎日のように撮影会が行われています。

 受付を済ませると、1テーブル10名程度の丸テーブルに案内されます。座席は自由席で、何となくグループには分かれていますが、誰がどんな関係なのかさっぱり分かりません。テーブル脇には数ケースのビールが山積みされており、新郎新婦の入場後にお互いの親族が紹介されたかと思うと、早速ビールの一気飲みが始まります。

 ベトナム人は大のビール好きです。ビール消費量は毎年13%平均で伸びており、消費量が年々減少傾向にある日本を抜いて、中国に次ぐアジア第2のビール大国になると予測されています。

 また、ベトナム人の多くはカラオケが大好きで、新郎新婦の父親や新郎の2〜3分の短いスピーチもそこそこに、さながらカラオケ大会と化すケースがほとんどです。そして、最も驚くことは会食が終わった途端、締めのあいさつも無く流れ解散。日本人の常識では考えられないエンディングを迎えます。

 最初のうちは戸惑いましたが、回を重ねるうちにきっちり時間割が決まっている日本流も、また変っているのかなと感じるようになりました。どちらが良いかは、その国の人々の考え方次第ではないのでしょうか。

【伊藤健太郎さん】
写真:伊藤健太郎さん
 いとう・けんたろう 大垣共立銀行ホーチミン駐在員事務所所長。97年同行入行、愛知法人営業部調査役、半田支店次長、人事部詰研修(みずほコーポレート銀行ホーチミン支店)を経て、12年3月から大垣共立銀行ホーチミン駐在員事務所勤務。愛知県出身。

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