ふるさとへの便り

ラオス

食事制限しないで 産後の母親たちを指導
写真:産後の食事指導の様子=ラオス

産後の食事指導の様子=ラオス

 ラオスへ赴任し、早いもので1年半が過ぎました。ラオスからの投稿も今回が2回目となります。

 ラオスでは、伝統的習慣として、産後に食事制限をします。カオニャオ(もち米)、塩、カエル、薬草茶を中心とし、他のものは、体に良くないという考えが根付いており、ほとんど食べません。しかし、この食事制限によって、栄養不足と貧血で入院してきたお母さんを多く見てきました。

 一緒に働いている助産師たちもこの食事制限については、頭を悩ませていました。そこで、産後に必要な栄養素について話し合った結果、産後のお母さんと家族へ向けた食事指導を行うことになりました。

 この食事指導では、ただ話をするだけでなく、「食べても大丈夫だ」という確信をもってもらえるように、実際に調理をして、お母さんに食べてもらっています。指導後、「野菜や肉を食べてもいいんだ」「家に帰ってからも、制限せずなんでも食べるようにする」といううれしい言葉を聞くたびに、大事なことが伝わった、とホッとします。

 先日、2人目の出産で入院してきたお母さんと家族が、「あなたが作ってくれた野菜炒め、家でも作って食べているよ。食事制限はしていない。おかげで元気だよ」と話してくれたことがありました。私を覚えてくれていたこと、そしてなにより、実践してくれていることに、とてもうれしくなりました。

 小さなことでも、相手にしてくれる誰かがいれば必ず伝わる。行き詰まった時、あきらめかけた時、私はこのことを思い出すと同時に、自分はなぜラオスにいるのか、ラオスへ来たのか、自分に問い、活動の原動力としてきました。

 ラオスの人々のためにと意気込んでやってきたラオス、振り返ると、自分自身、教えられたこと、気づかされたことがたくさんあります。ラオスで得た多くの種たちが、どう育っていくかは、これからの自分しだいです。

 また、逆に、私が与えることのできた種をどう育てるかも彼らしだいです。帰国後、いつかまた私の任地サワンナケートを訪れたいと思っています。

【田川薫さん】
写真:田川薫さん
 たがわ・かおる 助産師を経て、2011年1月から2年間、青年海外協力隊としてラオスに派遣。サワンナケート県病院産婦人科病棟にて活動中。高山市出身。28歳。

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