ふるさとへの便り

エチオピア

服飾指導、根気よく 型紙、定規の使い方から
写真:生徒の作品=エチオピア

生徒の作品=エチオピア

 私の配属先「VolationalTraining&Production Center」は、エチオピアの首都アジスアベバのほぼ中央に位置する、アラット・キロという街の外れに位置しています。

 私の活動内容は、生徒に服飾(洋裁や手芸)を教えることと、同僚教師にスキルアップの指導をすることです。指導やコミュニケーションには、現地語のアムハラ語を使います。最初は本当にわずかな単語と身ぶり手ぶりでしたが、生徒も同僚も理解しようと努力してくれ、その姿勢には大変助けられました。

 授業は午前と午後の2クラス、それぞれ洋裁とミシン刺しゅうの訓練コースがあります。ミシン刺しゅうには足踏みミシンを使います。停電の多いこの国では、電動ミシンより便利な面もありますが、何せ古いため、調子を整えるのも私の仕事です。

 洋裁コースでは型紙の作図を教えていますが、これがとても苦労します。生徒の多くは定規が上手く使えないので、寸法を測ったり、線を引いたりする事から教えなくてはいけません。洋裁・刺しゅうコース共に訓練期間は6カ月ですが、この様な状態から技術が身に付く生徒は本当に少数です。

 職業訓練とあるからには、手に職を付けることが最優先と考え、生徒に対して厳しく指導していました。しかし、数カ月で生徒が辞めてしまうようになり、同僚ともギクシャクするようになってしまいました。

 そんな時先輩隊員から、相手のことを考えず、自分の価値観、考え方を押し付けていないか、という話を聞き、まさに今の自分がそうだと実感しました。それを転機に、まずは物作りを楽しみ、好きになってもらおうと思うようになり、指導の内容もそのように変えていきました。その結果はまだ出ませんが、以前よりは雰囲気が良くなっていると感じます。

 肩の力の抜いた生き方を、この国で教えてもらった気がします。

【渡辺寛子さん】
写真:渡辺寛子さん
わたなべ・ひろこ ファッションデザイナーを経て、2011年6月から青年海外協力隊としてエチオピアに派遣。職業訓練学校で服飾(洋裁)を指導。岐阜市出身。27歳。

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