ふるさとへの便り

オーストラリア

選挙の投票率高く 票集計作業はゆっくり
写真:道路沿いに自由に立てられた候補者のポスター=オーストラリア・キャンベラ市内

道路沿いに自由に立てられた候補者のポスター=オーストラリア・キャンベラ市内

 岐阜の皆さん、こんにちは。私は、今年4月よりオーストラリアの首都キャンベラにある日本大使館に勤務しております。キャンベラは現在、初夏の様相を呈しており、日中は非常に強い日差しが降り注いで最高気温が25度前後まで上がりますが、朝晩は10度以下まで下がるため、まるで1日の中に四季がある感じです。

 今月は日本だけでなく、アメリカの大統領選挙など何かと「選挙」に関する話題が多く上っているので、今日は、オーストラリアの選挙制度について簡単にご紹介したいと思います。

 先月、ここキャンベラにおいて4年に1度の議会選挙が行われました。キャンベラの人口は約35万人であり岐阜市より7万人ほど少ないのですが、岐阜市の最近の市議会議員選挙の投票率が44.9%(平成23年4月実施)であるのに対し、今回のキャンベラの投票率はその約2倍の89.3%となっています。

 選挙事務に携わる地方自治体関係者であれば、非常にうらやましいと感じる数値ですが、実はオーストラリアは日本とは異なり、投票は国民の「義務」なのです。もちろん義務ですから、違反すれば罰則も科せられます。特段の理由がない限り投票しなかった者に対しては、50豪ドル(約4200円)の罰金が科せられます。

 また、その投票の仕組みも非常に特徴的です。日本では、投票用紙に候補者の名前を記入する方式が一般的ですが、こちらは、全候補者の氏名が投票用紙に記載されており、その候補者の優先順位(数字)を記入し、優先順位が1位とされた票を過半数もしくは一定の票数獲得した候補者が当選する方式です。

 さらに興味深いのが投票用紙で、一般的に投票用紙上の最初に掲載された候補者に1位と記入する人が多いため、候補者間の公平性を確保する観点から、各自に配布される投票用紙は候補者の記載順がそれぞれ異なるものとなっております。

 一方で、このような複雑な投票方式であるため、票の集計作業は非常に時間がかかり、日本のように当日もしくは翌日に開票結果が確定することはなく、投票結果の確定には概ね投票日から1週間あまりを必要とします。このあたりの時間のゆったりしたところはこの国の国民性なのでしょう。

【青木正幸さん】
写真:青木正幸さん
あおき・まさゆき 今年4月より在豪州日本国大使館二等書記官として勤務(岐阜県から出向)。主に日本文化紹介行事やWeb上の広報業務を担当。羽島市出身。35歳。

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