ふるさとへの便り

発展続けるタイ

若者のパワー実感 文化、信仰心は変わらず
写真:若者で賑わう商業施設「ターミナル21」=タイ

若者で賑わう商業施設「ターミナル21」=タイ

 スマートフォンを自在に操りながら、LINE(ライン)で友人と連絡を取り合い、フェイスブックで気持ちをつぶやく。日本の若者の間で見られるこのような光景は、タイの若者の間でも当然のように見ることができる。

 タイの若者も日本の若者も、新しいものへの興味と順応の速さは同じだが、特にタイの若者を見ていると、その発展とパワーを感じることができる。

 私と同じ会社でビザ申請の手伝いをしてくれたタイ人の同僚と会話をしていた時のこと。最初は楽しく会話をしていたが、私と同い年であると分かった途端、競争意識を持ったのか、「大学で何を学んでいたか」「今の職務、ポジションは何か」など次々と質問をしてきた。「将来の夢は何か」という質問でまごつく私を横目に、延々と夢を語っていた姿が今でも思い出される。

 タイの成長は著しく、全国一斉の賃上げが行われるなど、個人も購買力を付け始めている。次々に建設された大型の商業施設は、多くの若者でにぎわっていた。日本でも人気があるH&M(エイチアンドエム)、ZARA(ザラ)、ユニクロでショッピングをしたり、カフェで友人とおしゃべりをしたり、最新の映画を見たりと、日本の若者と変わらない光景が広がっている。

 発展を続けるタイであるが、タイ人の精神、文化が失われているわけでは決してない。タイ人は家族を非常に大切にする国民であり、同僚が語った将来の夢の中にも、「家族のため」という言葉が何度も聞かれた。

 また、国民の95%が仏教徒で非常に信仰心が強い。最新のファッションに身を包んだ若者であっても、街に点在している仏を祭った祠(ほこら)の前では合掌を欠かさず、また、仏が刻まれたネックレスをしている若者を見ると、多少違和感を覚えつつも、決して変わらないその精神に大変感心させられる。

 タイに住んでみて、すさまじい勢いで成長を遂げつつある国家と、それを支える若い国民の力を目の当たりにし、私たち日本人が見習うべきことがこの国にはたくさんあると肌で感じた。

【竹中一将さん】
写真:竹中一将さんさん
たけなか・かずまさ 十六銀行市場国際部海外ビジネスサポートデスク所属。2012年10月からタイ提携先のカシコン銀行ジャパンデスクへ派遣。本巣郡北方町出身、25歳。

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