ふるさとへの便り

トルコ

歴史が人々の誇りに
写真:一緒に遊ぶ異年齢の子どもたち=トルコ・キュタフィヤ

一緒に遊ぶ異年齢の子どもたち=トルコ・キュタフィヤ

 「岐阜の皆さま、メルハバ!ナッスルスヌズ?」。トルコでは毎日さまざまな体験をしてきました。今回は外に足を延ばしましょう。トルコには九つのユネスコの世界遺産がありますが、それ以外にも全国に史跡が点在していて広い国土のどこもが興味深いです。遺跡の発掘現場へも行きました。

 私はキョイ(村)と呼ばれる古い地域の残るところを訪ねるのが好きです。そこでは村人たちと道端でチャイ(お茶)をいただきながら昔話や村の自慢話を聞くことができます。その話は興味深く、話に花が咲き、食事に招かれることもありました。おかげであちこちに知り合いができています。村に限らずトルコの人はもてなし好きのようで初対面でもよく振る舞ってくれますが、実は彼ら自身が食べることが大好きなのです。

 また、村の大きな共同フルン(石焼き釜)でパンを焼く女性たちにも仲間入りしました。村人のいわば井戸端会議の場になっているようです。日本にもあった昔ながらのお付き合いがまだ残っていました。

 一方、トルコに来て、歴史に培われたかと思える国民性を肌で感じており、あちらこちらで歴史探訪をするごとに、その根拠を見る気がします。トルコではどこを掘っても歴史が見えると言われます。とてつもなく古く長い歴史が深く掘り下げられることや、日本のように一つの国でなく多くの国と縦横に交わり、戦いを経て、国を作り上げてきた歴史は、人々の誇りとしてDNAに刷り込まれているように思われてなりません。さらに、建国の父ケマル・アタチュルクが共和国を設立し、法律やアルファベットの使用、政教分離や女性に人権を与えるなど、さまざまな改革をして以降、100年に満たないですが、女性の社会進出やリーダー的立場を占める女性の割合はかなり高いようです。力強さを感じます。

 旅行でトルコを訪れる人々は、観光地や有名な史跡を巡られた際、その足元の地下深くにトルコの人々の過去の生活や戦いがあったことに思いをはせながら眺めていただくと、旅の味わいが増すかもしれません。

 私のトルコ滞在もあとわずかとなりました。思いを残しつつ、「テシェッキュルエディエリム、トゥルキエ!(ありがとう、トルコ!)」。

【杉山照子さん】
写真:杉山照子さんさん
 すぎやま・てるこ 県内の市立療育センターで障がい児の療育に携わる。定年後スリランカで3度の短期派遣を経て、2011年7月から2年間、トルコでシニア海外ボランティアとして知的障がい者支援財団の本部で活動中。各務原市出身、66歳。

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