ふるさとへの便り

上海

賃上げ、労働環境変化
写真:ビジネス街に立ち並ぶオフィスビル=中国・上海市

ビジネス街に立ち並ぶオフィスビル=中国・上海市

 上海市も今年は猛暑となり、報道では8月上旬に40.8度を記録し、140年間の観測史上最も暑い夏と伝えられました。

 上海市人力資源・社会保障局は2012年の上海市における企業労働者平均月額賃金を昨年度比で8.3%増の4692元(約7万5000円)と報告しており、上海市の平均賃金はこの10年で約2.5倍まで引き上げられています。このような中、上海市内の企業でも対応を迫られている中華人民共和国労働契約法の改正について少しご紹介します。

 中国では労働者の権利を保護・強化する法律として、08年1月1日に労働契約法が施行となり、以降初めて同法が改正され今年7月1日に施行されました。これにより労務派遣に対する規制が強化され、今月7日に公表された同法を補足する労務派遣若干規定(案)では、ポイントとなる派遣労働者の比率について「補助的な職位に使用する派遣労働者の数は、従業員総数の10%を超えてはならない」としています。

 同法では、同一労働同一報酬、直接雇用を原則に、労務派遣の条件として臨時性、補助性、代替性が定義付けられ、派遣は補充であると明確化されています。上海市内の日系企業の中には、既に派遣を直接雇用に切り替えたところも出てきているようですが、雇用体制の見直しに伴う賃金などコスト増や経済保証金などのリスク、雇用労働者の賃金差がある場合は、業務内容について合理的な理由などにも注意しながら、企業は派遣労働者の労働形態について検討、対応の実施が必要とされています。

 最後に、9月19日の中秋節(旧暦8月15日)を間近にし、上海でも商戦となっている月餅(伝統的な菓子)についてご紹介します。月餅は企業の社員福利厚生としても支給習慣が定着しており、日本円で1個100円以下から何万円もするセット商品、さらには外資系ファストフード店までオリジナル商品を出しています。過去には政府が過剰包装を抑制、支給された月餅は所得(課税対象)とみなすべきとの見方が示されるなど、社会現象にもなっています。中国へ渡航される方は、この時期ならではの雰囲気として、月餅をチェックしてみてはいかがでしょう。

【谷口真里子さん】
写真:谷口真里子さんさん
 たにぐち・まりこ 2013年3月から県上海駐在員として赴任。主な業務は県内企業支援、観光PR、岐阜県人会開催など。不破郡垂井町出身。

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