ふるさとへの便り

ソロモン諸島

植林で経済振興図る
写真:村落で植栽する苗木の生産=ソロモン諸島

村落で植栽する苗木の生産=ソロモン諸島

 私は青年海外協力隊員として、南太平洋に位置するソロモン諸島で生活しています。ソロモン諸島という国名はなじみがないかもしれませんが、第2次世界大戦の激戦地だったガナルカナル島がある国と言った方が分かると思います。私はウエスタン州のムンダと呼ばれる、美しい海を有し観光業が盛んな地域に赴任しています。

 この国で私は森林省に所属しながら、植林の普及活動を行っています。植林と聞くと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。多くの方は環境保全や自然再生を思い浮かべると思います。

 まず、この国の経済状況を説明します。国民総生産は2012年のデータで、187の国と地域のうち172位という順位です。地場産業は極めて脆弱(ぜいじゃく)で、天然林伐採や鉱物資源により外貨を獲得しています。

 植林の目的は、このような経済状況を打破するために、経済樹木を植栽・伐採し、木材加工業を発展させることにより、経済振興を図ることです。本来であれば郷土種で高価値な樹種を植栽したいのですが、現在は国際マーケットにおいて高値で取引されるチークやマホガニーが植栽対象となっています。現状は植林を拡大させている段階です。

 私の活動では、植林がなかなか進まない農村植林の問題点の抽出及び改善点を提言し、植林を拡大させることが目的です。当初は日本の林業との違いに戸惑いがありましたが、同僚たちから、この国の林業を教えてもらい、何とか活動を続けることができています。

 さて、農村植林の問題点ですが、行政面や経済面などいろいろとありますが、一番の問題点は労働意欲がないということです。こう書くと怠惰な国民だと感じるかもしれませんが、この国で生活する中で思いに変化が生じてきています。この国では山や海に豊富な食料があり、家族や友人たちと助け合いながら、お金がなくても幸せに暮らしています。貨幣の重要性が全然違うので、労働意欲が低くても仕方がないと感じてしまいます。

 私の活動は、貨幣経済における植林の重要性を説きつつ、彼らの生活リズムに合った方法を考えるという、難しい状況にあります。多くのことを学べる現状に喜びを感じつつ、活動を続けていきたいと思います。

【木康平さん】
写真:木康平さんさん
 たかぎ・こうへい 鳥取県日野郡日南町職員として林業行政で3年間勤務した後、2012年6月から青年海外協力隊員としてソロモン諸島の森林省ムンダ事務所で植林普及のために派遣。関市出身。29歳。

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