ふるさとへの便り

キルギス

障害者に優しい国へ
写真:ウォーカソンでイシククル湖周辺を歩くメンバー=キルギス

ウォーカソンでイシククル湖周辺を歩くメンバー=キルギス

 キルギスに来て、1年9カ月が経過。残り任期もあとわずかとなり、季節も再び冬を迎えようとしています。

 活動の一環として、ウォーカソンというイベントを9月4日〜10日に実施しました。ウォーカソンは2008年より過去5回にわたり開催されています。「キルギス共和国のよりよい未来のために」というスローガンの下、障害当事者と非当事者が共にイシククル湖周辺を徒歩で回ります。障害の有無や種類、度合いにかかわらず、人は平等であり余暇を楽しむ権利を持っていることを社会に伝え、障害者の社会進出を促進することを目的とするイベントです。

 イシククリ州全体で啓発活動を行っていく目的で、11年からは毎年、約100キロを目標距離として、4年をかけてイシククル湖を徒歩で1周しています。

 今年はバリクチ市〜バコンバエバ村間(全行程距離約90キロ)を歩きました。今回は私が取りまとめをし、障害者3人、ボランティア12人、キルギス人2人の計17人で行いました。開催中、農村部5カ所の学校で、障害者の講話や体験学習などを交えた授業を行いました。生徒たちや先生方から、多くの温かい歓迎を受け、「障害者理解促進の良い機会になった」との声をいただきました。

 また、道中、障害者の家に泊まり、手厚い歓迎を受けたり、障害者の生徒が授業へ参加してくれたりと、障害者同士のネットワークの構築にもつながりました。バリクチ市役所での開会式セレモニー、テレビ局の取材、通りがかりの方の声援や興味を示してくれる人がいたりと、多くの方々に障害者について考える機会を提供できたイベントとなりました。

 今回のウォーカソンを通じて、普段障害者に関わることのないほかの職種のJICAボランティアたちがさまざまな感想や反省を抱き、非常に有意義な経験ができたと感じています。

 キルギスでは日本と比べると、障害者に対する理解が高くなく、バリアフリーの設置も進んでいないため、彼らにとって決して住みよい環境であるとは言えません。今後、キルギスが障害者にとってより住みやすい国になることを願うとともに、ウォーカソンがそれを少しでも助長するものになっていけるようイベントが継続されていくことを願います。

 残りの任期もわずか約3カ月、残された時間をキルギスの人々と共に大切に過ごしたいです。

【木俊洋さん】
写真:木俊洋さん
 たかぎ・としひろ 会社員を経て、青年海外協力隊23年度3次隊(2012年1月〜14年1月派遣)としてキルギスに派遣。PCインストラクターとして、ビリムオルド中等学校にて、情報科学科目を指導。不破郡関ケ原町出身。36歳。

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