ふるさとへの便り

マラウイ

TV映像にくぎ付け
写真:サンタさんの紹介映像を見る子どもたち=マラウイ、ナンチョリ村

サンタさんの紹介映像を見る子どもたち=マラウイ、ナンチョリ村

 「ドッドッドッドッドッ」「バチバチバチバチ」。トタン屋根に打ち付ける雨音で全ての音がかき消される。12月から雨季入りしたアフリカの小国マラウイでは、雨により授業が中断されることも珍しくない。

 今回のそれは、仲間の協力隊員と共にクリスマスイベントを村の孤児院で開催した時の出来事だ。サンタクロースの紹介ムービーを流していた時に突然の豪雨に見舞われた。それでも、日常ではテレビすら見ることがない子どもたちは映像にくぎ付け。サンタさんが煙突から落ちるシーンでは雨音に負けないほどの笑い声。映像を流している最中もびしょびしょになりながら、多くの子どもたちがみな裸足のまま教室へ駆け込んできた。

 孤児院にはエイズにより両親を亡くしてしまった子、家族が貧しくて孤児院に預けられた子、いろいろな年齢の子どもたちがさまざまな事情により共同生活を送っている。そんな子どもたちとじゃんけんゲームを行ったり、日本の歌を一緒に歌ったりした。また、イベントの最初に簡単な道徳の授業も行っている。これを守れる「良い子」には、サンタさんからみんなにご褒美があるということで、文房具やお菓子をプレゼントした。

 マラウイでは人口の8割強がキリスト教徒であるため、クリスマスは教会へ行ってお祝いすることが多いようだ。しかし、特別に何かをするということはあまりないようで、村人何人かにクリスマスの過ごし方を質問したところ、「お金があったらお米を食べたい」「チキンを食べたい」という答えが返って来た。

 日頃の活動では小さな子どもたちと関わる機会が少ない私としては、こうやって他の協力隊員と活動することで、新たな発見や楽しみがあって面白い。また、雨季入りしたことで私の本来の活動の野菜栽培も忙しくなってきたところだ。マラウイでの残り任期もあとわずか。一人でも多くのマラウイ人と笑顔の時間を共有できたらと思う。

【古川雄三さん】
写真:古川雄三さんさん
 ふるかわ・ゆうぞう 米国、日本での農場勤務を経て、2012年3月から青年海外協力隊としてマラウイに派遣。職種は野菜栽培。多治見市出身。30歳。

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