ふるさとへの便り

ソロモンの文化

海沿いの村、舟で交流
写真:ソロモンの伝統的な舟「トモコ」

ソロモンの伝統的な舟「トモコ」

 昨年9月に続き2回目の投稿となりました。今回は文化について書こうと思います。ソロモンは大小100余りの島々からなる島嶼(とうしょ)国家であり、海と密接した文化の国と言えます。海産物やココナッツを重宝するため、ほぼ全ての村が海沿いに存在しています。そのため人々は舟を介して交流してきたようです。

 私が赴任しているウェスタン州ではトモコと呼ばれる伝統的な舟があり、10人以上で一斉にこいで進みます。ものすごい速度が出るという話で、150キロ以上離れた島に日帰りで往復していたようです。現在はエンジンボートが主流なので、もう少し短時間で移動できます。

 しかし、子どもの学費や生活費のため、貨幣の価値が高まっているため、実家へ帰るための燃料代が払えないという人の話を聞くこともあります。便利になって早い時間で移動できるのに、なかなか帰ることができなくなっている現状は、何だか資本主義の皮肉なようにも感じられます。

 さて、文化ということで宗教についても触れてみたいと思います。ソロモンはもともとイギリス領ということもあり、百数十年前にキリスト教が伝来し、広く信仰されています。熱心な信者も多く、キリスト教への勧誘や私の宗教への質問などを度々受けます。日本人にとって少々難しい質問ですが、私は日本の伝統宗教(神道)と答えるようにしています。どのような宗教なのかと聞かれるので、「自然に多くの神々が宿り、自然を崇拝し、先祖を崇拝する」と答えています。私の答えに対して、「祖父や父の世代と同じだな」と返事がきます。ソロモンは豊かな自然に囲まれていることもあり、もともとは多神教の考えが生まれやすい土壌だったのでしょう。今でも巨岩や巨木などが聖域として残っている場所もあります。

 ただ、子どもの世代は違うようです。私と同じ任地に中学校の理科教師として活動しているボランティアがいます。彼が言うには、「子どもたちにとって、生まれた時からキリスト教が当たり前の生活をしている」とのことです。今のソロモンは伝統的な宗教が少し残っている状態ですが、数十年後には完全にキリスト教に一色になっているのかもしれません。まさに国が変わっている最中だと感じさせられます。

【木康平さん】
写真:木康平さんさん
 たかぎ・こうへい 鳥取県日野郡日南町職員として林業行政で3年間勤務した後、2012年6月から青年海外協力隊員としてソロモン諸島の森林省ムンダ事務所で、植林普及のために派遣。関市出身。29歳。

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