ふるさとへの便り

中国

急速にマイカー普及
写真:マンション敷地内の通路に駐車された自家用車=中国

マンション敷地内の通路に駐車された自家用車=中国

 中国の新車販売台数が昨年初めて2000万台を超え、2198万台となりました。これは世界第1位であり、第2位のアメリカ(昨年実績1560万台)と第3位の日本(同537万台)を合わせても届かない巨大マーケットに成長しています。モータリゼーション(車社会化)の目安は1人当たりの国内総生産(GDP)が3000米ドル(約31万円)を超えてから始まるといわれています。中国は既に6100米ドル(約63万円)を超えていますから、本格的なマイカー普及時代といえます。

 上海では街中を中国系、日系、欧米系などさまざまな国の車が走行しています。1台数千万円はするであろう高級車を目にすることも珍しくなく、ちょっとしたモーターショー気分を味わうことができます。しかし、売れ筋はやはりリーズナブルな大衆車で月間販売ランキングの上位には100万円台の車が並んでいます。

 中国では急速なマイカー普及に伴いさまざまな社会問題が発生しています。その一つが交通渋滞です。上海では慢性的な交通渋滞を改善するため、2002年よりナンバープレートの発行枚数を制限し自動車台数の増加を抑制しています。現在、新規に発行されるナンバープレートは月に約9000枚で、希望者は事前に申請した上で入札に参加し、ナンバープレートを購入しています。その落札価格は7万元(約119万円)超と高止まりしています。100万円台の新車を購入する場合、車体とほぼ同額のナンバープレート代を支払わなければなりませんが、高い落札価格は強い購入意欲の表れといえるでしょう。

 また、都市部では駐車スペースの不足が問題となっています。既存マンションの敷地内には十分な駐車スペースがなく、敷地内の通路や路肩に駐車せざるを得ない住民もいます。地元政府は事態を重く受け止め、対策に乗り出しました。北京市は通行量が減少する夜間などに限定し道路の一角を臨時駐車スペースとして開放することを検討しています。また、上海市は郊外からの通勤者に対し近郊の駅付近にマイカーを止めて公共交通機関に乗り換える「パーク・アンド・ライド」制度を推奨しています。

 最近では自動車の排気ガスなどから発生する微小粒子状物質「PM2.5」が新たな社会問題となっています。日系大手自動車メーカーは相次いで中国でのエコカー本格生産を打ち出し、その解決に乗り出しています。これまでに培った経験や技術で相手国が抱える問題を解決しようとする日本企業の姿勢は、異国に住む日本人として誇らしく感じています。経済協力を通じて日本と中国が共存共栄の道を歩めるよう願ってやみません。

【桑原草太さん】
写真:桑原草太さんさん
 くわばら・そうた 2006年大垣共立銀行入行。10年に中国語学研修生として上海財経大学へ派遣。海外事業推進部を経て、12年4月より上海駐在員事務所に勤務。愛知県出身。31歳。

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