ふるさとへの便り

エクアドル

地方を巡り住民診療
写真:ロハ県マラカトスでのコミュニティーへの巡回診療=エクアドル

ロハ県マラカトスでのコミュニティーへの巡回診療=エクアドル

 「コモエスタ?(お元気ですか)」。私がエクアドルに青年海外協力隊として来てから、もう一年がたとうとしています。現在も前回投稿時と変わらず、エクアドル南部の街ロハで活動を送る毎日です。私の活動は、地方への巡回診療と診療所での診療の2本柱で行っています。赴任当初から一看護師としてのマンパワー的な役割が強かったものの、そうした経験を経て、少しずつ同僚の信頼を得て、良好なコミュニケーションを取ることができてきたと思います。

 私が現地の医療に触れてあらためて感じることは、日本の医療の質の高さです。医療技術から、医療機器や設備といったハード面はもちろんですが、保健医療や福祉サービスの充実、また、その活用ができているという点でも日本の医療は充実していると感じます。また、こちらではそうしたサービスを提供できる医療者がいることや、医療を受ける利用者がほぼ平等であるということも当たり前ではありません。

 任地ではまだまだ基礎教育の普及やインフラ設備、環境保全などの面で遅れを取っており、社会的格差があります。それによって貧困層は疾病に関する基礎知識や十分な衛生環境、そして、時には医療施設までのアクセスの確保が困難な状況です。収入が少なく、治療が受けられないという単純なものだけでなく、安価、もしくは無料で受けられる保健サービスがあっても、それを活用できないという現状はそうしたさまざまな格差からきていると考えられます。そのような貧困層の悪循環はこの国に限らず、世界のあらゆる所で起きていると思います。

 しかし、この国で生活する中で学んだことは問題点ばかりではありません。特にそう感じたのは家族を大切にする文化です。こちらでは休日を家族で過ごすことがほとんどであり、私も含め日本では薄れつつある文化だと思います。また、現地の人は家族に関する質問や家族の写真が見たいと言うことも多く、それだけこちらの人たちにとって家族は大事なのだと感じます。単に問題点や課題にばかり目を向けるのでなく、残された任期を大切にして、この国の素晴らしさや見習うべき点も見いだしていきたいと思います。

【中村公紀さん】
写真:中村公紀さんさん
 なかむら・こうき 一宮市立市民病院外科病棟での勤務を経て、2013年3月より青年海外協力隊としてエクアドルへ赴任。看護師としてロハ県の社会福祉財団で活動中。関市出身、28歳。

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