ふるさとへの便り

ニカラグア

発電機、力合わせ修理
写真:発電機の修理作業の様子=ニカラグア

発電機の修理作業の様子=ニカラグア

 こんにちは、JICAシニア・ボランティアの淺野です。昨年11月に続き2回目の投稿となります。今回は発電機の緊急修理について書こうと思います。

 日本でもそうですが、故障というものは突然起こるものです。昨年9月25日早朝に一号発電機が緊急停止しました。発電機には故障拡大を防ぐためにさまざまな保護装置が組み込まれています。当日は直流回路地絡保護継電器というものが動作して、発電機が自動停止しました。

 電気には皆さんが携帯電話やカメラなどの電源に使っている直流と、家庭でコンセントにさしてテレビなどを見るための交流があります。交流はコイルという電線を巻きつけた部分の内側で、磁石を回転させて作ります。今回の事故はその交流を作り出す発電機で最も重要な電磁石を作るために必要な部分で起きました。原因は建設当時から使われている発電機内部のボルトの金属疲労による破断です。高速で回転する電磁石とコイルとの間には1センチほどの隙間しかありません。その隙間に金属疲労で折れたボルトの一部分が入り込み、直流の電気が電磁石に行く回路を止めてしまったのです。

 当日、事故直後から全ての職員が非常招集され、復旧作業が始まりました。突貫工事になるため、ドクターと看護師は常駐。作業員も2交代制が敷かれました。また、午前10時と午後3時には重労働を補う補食やジュースも提供されました。発電所で働く全員が一丸となって復旧作業を行いました。結局、完全復旧までには40日ほどかかりましたが、ニカラグアの人たちと一緒に働いたため、信頼関係がより一層深まりました。

 既に日本の水力発電所は95%以上が無人化され、首都圏などから遠隔操作されています。しかし、ここでは折れたボルトを作り直す旋盤作業、配管の溶接作業、折れたボルトにより傷つけられた部分の手直しなど、ほとんどの対応を発電所内で行います。あらためてニカラグアの人たちの技術力を知った体験でした。

【淺野一博さん】
写真:淺野一博さんさん
 あさの・かずひろ 電力会社勤務を経て、2013年3月からシニア海外ボランティアとしてニカラグア共和国に派遣。ニカラグア電力公社(カルロス・フォンセカ水力発電所)で水力発電施設保守を指導。羽島市出身。58歳。

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