ふるさとへの便り

タイ

高い成長力、肌で実感
写真:バンコク市内の商業施設「ターミナル21」の東京フロア=タイ・バンコク

バンコク市内の商業施設「ターミナル21」の東京フロア=タイ・バンコク

 私は4月、十六銀行が業務提携しているタイ・カシコン銀行にトレーニーとして派遣されました。2カ月という短い滞在期間にもかかわらず、タイでの生活は新しい発見の連続で、高い成長力を肌身で感じています。

 日本ではタイに対して、メディアで報道されている反政府デモや景気の停滞のイメージが強いかもしれません。しかし、私が住むバンコク市は焼き鳥、焼き豚、甘い団子菓子、魚のフライなど多様な商品を扱うにぎやかな露店が立ち並び、朝から多くのビジネスマンや観光客、車やバイクタクシーが行き交います。いろいろな喧噪(けんそう)が交わり、アジア的な生命力、活気を強く感じます。

 私は緑の多い、のどかな町で育ったので、赴任当初は喧噪の中で生活することに違和感を覚えましたが、カシコン銀行のスタッフをはじめ、タイの人々は温かく接してくれますし、笑顔とタイ式のあいさつ(手を胸の辺りで合わせ、お祈りをするようなポーズ)にはタイ人の本質的な素朴さを感じます。

 住むという点においては「食」が欠かせませんが、バンコクほど日本食に恵まれている海外都市は無いかもしれません。日本人が経営している店も多く、日本並みに新鮮な魚介類を食べることができます。日本食チェーン店も多くあり、日本食屋は1200店舗を超えていると言われ、食事に困ることはありません。タイ人にとって日本食は高い食事ですが、日本食店や日本居酒屋などではタイ人をよく見かけますし、3万人近いバンコク在留邦人を考えれば、小売りも含めた日本食マーケットにはまだ参入の余地があるのかもしれません。

 バンコクにある「ターミナル21」という商業施設は階ごとに異なる海外の街を再現し、空港のターミナルのように設計しているのが特徴です。ここにはパリやロンドン、サンフランシスコと並んで東京のフロアがあり、日本で流行しているファッションを意識した衣料品も取り扱っています。タイの若い女性の間では日本の化粧品も含めた「カワイイ文化」が人気で、先日もバンコクでのイベントに「東京ガールズコレクション」が初めて参加するなど、日本の「衣」文化も少しずつ浸透しつつあります。ただ値段が高いこともあり身に着けている人はあまり見掛けません。

 タイは自動車を中心とした製造業の進出イメージが強いですが、これから所得が上がっていく若い層が日本と比べて多いことから、マーケットとしても魅力にあふれています。自動車やサービス業だけでなく、コンテンツ産業やファッション業界など日本企業のタイ進出は、新しいステージに来ていると考えるのは私だけではないでしょう。私も微力ながら、この地において故郷とタイの文化、経済を結ぶ役割を担えればと思います。

【淡川健司さん】
写真:淡川健司さんさん
あいかわ・けんじ 十六銀行海外サポート部海外営業グループ所属。2014年4月より提携先のタイ・カシコン銀行へ派遣。不破郡関ケ原町出身。27歳。

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