ふるさとへの便り

中国

ブックカフェが人気
写真:ブックカフェの店内=中国・上海市

ブックカフェの店内=中国・上海市

 上海市は8月から9月にかけて雨が多く一層蒸し暑くなります。道路の排水環境が悪いため、土砂降りになるとあっという間に冠水ということも珍しくありません。

 さて、上海市内のあちらこちらでは人々が大きな声で会話をしていたり、平日でも夜遅くまで広場などで音楽やダンスを楽しんでいたりする光景が見られます。住民はいつもにぎやかな場を好むという印象を受けますが、実際は、休日は静かでリラックスできる場所で過ごしたいと考える人が多いのです。

 若者たちがゆったり落ち着いた時間を過ごす場所の一つにカフェがあります。カフェ文化が根付いていない中国では、全世界的に展開している専門チェーン店が主流ですが、最近ではローカルのおしゃれなカフェも増えました。人々の味や雰囲気へのこだわりも強くなり、本格的なコーヒーを扱う店やブックカフェは人気で客が集中します。中国でもオンライン書店や電子書籍の普及に加えて、不動産家賃の上昇などが起因して実体書店の経営は厳しく、カフェ併設など独自性を持たせながら続ける店も出ています。

 統計によると、2007年から12年までに1万を超える書店が廃業したため、中国政府も民間書店を支えようと、13年1月1日から17年12月31日まで、書籍卸売・小売業に対する税制上の優遇措置を実施しています。これにより書店は全納税額の約3分の2に相当する増値税(消費税に相当し、税率は約13%)が免税となり、負担が軽減されました。加えて、北京市や上海市ほか12都市の56書店に対して9000万元(約15億円)の資金援助も実施されています。

 上海市政府は、中央政府より早い12年から支援制度を導入し、今年4月までに実施した実体書店への資金援助額は2350万元(約3億9000万円)に上り、現在も支援を継続しています。

 人気ブックカフェの話によると、最近はインターネット上では不可能なエンターテイメント性を取り入れることができる実体書店に将来を期待する不動産業界も出てきているようで、市内における今後の書店発展とすてきなカフェが増えるのを楽しみにしています。

 最後に、今年、市内にレンタサイクル設置箇所が増え、外国人でもパスポートと300元(デポジット+チャージ料金で約5000円※料金は地域で異なります)を最初に支払えば借りられるため、市内散策が広範囲で楽しめるようになりました。レンタサイクルで、おしゃれなカフェめぐりも楽しいと思います。

【谷口真里子さん】
写真:谷口真里子さんさん
 たにぐち・まりこ 2013年3月から県上海駐在員として赴任。主な業務は県内企業支援、観光PR、岐阜県人会開催など。垂井町出身。

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