ふるさとへの便り

中国

ネット販売、高い伸び
写真:ネット注文商品をリヤカーで配達する業者=中国・上海市

ネット注文商品をリヤカーで配達する業者=中国・上海市

 中国のインターネット利用人口は6億人を超えたと言われており、最近では廉価版の普及を受けてスマートフォンユーザーが急増しています。こうした中、中国では今、オンラインショッピング市場が急速に拡大しています。中国国家統計局が7月下旬に発表した2014年上半期オンラインショッピング小売額は前年同期比48%増の1兆1375億元(約19兆3375億円)と非常に高い伸び率を示しました。

 中国のオンラインショッピングでは服飾品、食料品、衛生用品、化粧品、家電商品、書籍と生活に関連する商品が数多く取り扱われています。中には飲食店やカラオケ店、映画館などの娯楽施設で割り引きが受けられる金券を共同購入するサイトもあります。知り合いの中国人にオンラインショッピングの利用頻度を尋ねると、回答してくれた全員が月1回以上は利用していると答えました。

 利用者は若年層だけではないようです。中高年の間では飲料や油など、買い物の際に持ち運びが不便な食料品をオンラインショッピングで注文することが増えつつあります。また、郊外や地方の住民の間では、趣味で使う専門道具や書籍などを購入する際、わざわざ周辺の都市部に行かなくても自分好みの商品が手軽に手に入ることが受け入れられているようです。

 先日、私もオンラインショッピングを試してみました。簡単な登録手続きを済ますだけで、注文したその日に商品を受け取ることができ、利便性が消費者に受けているのだろうと実感しました。支払いは各種カード決済に加えて、一部のサイトでは代金引換も利用可能です。

 このように、年齢・地域を問わず受け入れられつつあるオンラインショッピングですが、特有の問題もあります。オンラインショッピングでは同じ商品でも売り手(出品者)によって価格に大きな差があります。中国では偽物が数多く流通していることから、こうした価格差が消費者を困惑させています。自衛手段として消費者は運営サイトに掲載されている出品者評価を頼り、信頼のおける購入先か否かを判断しているようです。

 ただし、高額商品の購入ではオンラインショッピングを敬遠し、実際に店舗に出向いて実物を確かめて購入する人が多いようです。先述の知人によれば、購入する商品は日用品が中心で、1回当たりの購入金額は300元(約5000円)程度の場合が多いようです。

 こうした問題はあるものの、中国オンラインショッピング市場の勢いは当面、止まることなく拡大していくと予想されます。今年8月には米国インターネット通販大手のアマゾンが、中国(上海)自由貿易試験区管理委員会などと業務提携の覚書を締結しました。提携により、中国の消費者は米国など、海外のアマゾンサイトから商品を直接購入できるようになる見通しです。ベビー用品などの分野では安心、安全の観点から海外商品を支持する声が根強く、中国の消費者がオンラインショッピングを通じて海外商品を手にする機会が増えるものと予想されます。

 現在、進行形で変化する中国のオンラインショッピング。私自身も一消費者として楽しみながら、今後の行方に注目していきたいと思います。

【桑原草太さん】
写真:桑原草太さんさん
 くわばら・そうた 2006年、大垣共立銀行入行。10年に中国語学研修生として上海財経大学へ派遣。海外事業推進部を経て、12年4月より上海駐在員事務所に勤務。愛知県出身。32歳。

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