ふるさとへの便り

中国・上海

自然あふれる崇明島
写真:崇明島の個人農作地=中国・上海市

崇明島の個人農作地=中国・上海市

 今年の国慶節(10月1日・中華人民共和国の建国記念日)連休は10月1日から7日でした。上海市内のオフィス街はいつもと違って人通りが少なくとても静かでしたが、連休中は地方から遊びに来る人も多く、豫園(よえん)や外灘(わいたん)などの観光地は人であふれ、一部道路や地下鉄は大混雑していました。

 さて、上海と聞くと、多くの人が「大都市、高層ビル群、人混み」をイメージすると思います。市内中心はその通り高層ビル、超高層ビルが立ち並び、今なお建設ラッシュで人も多く、常にいろんな音が聞こえる忙しい街です。ところが、上海市内にも農業が盛んで自然豊かな素敵(すてき)な島があることをご存じでしょうか。

 「崇明島(すうめいとう)」は上海の北に流れる長江(揚子江)を渡ったところ、上海市崇明県にあり、中国では台湾島、海南島の次に大きい島とされています。長江により運ばれた土砂が堆積して形成された島で沖縄本島ほどの大きさですが、今なお成長し続けている興味深い島です。長江の淡水と東シナ海の塩水が混じる汽水地域で、上海蟹(がに)、特に稚蟹の養殖地としても知られています。

 上海市政府が2010年に「崇明生態島建設綱要(2010−20)」を発表し、世界レベルの生態環境に配慮した島を建設するという大きな目標を発表するなど、重要な拠点とされている地域です。残念ながら中国国内の土壌汚染などによる食に関する問題は後を絶たず、人々の安心・安全へのこだわりや有機・無農薬への関心は高まる一方です。

 このような中、同島の農業は政府により小作農から大規模化へと産業化が図られ、環境に配慮した農業が進められています。島には有機・無農薬野菜を大々的に栽培してレストランや食品店と契約、あるいは、会員制の通信販売サイトを手掛ける企業もあります。

 また、崇明島には多様な生物、特に水鳥の生息地などとしてラムサール条約の国際重要湿地リストにも登録された東灘湿地があり、週末や長期休暇時には豊かな自然環境の中で過ごそうと各地から人々が集まる、人気観光地にもなっています。

 ちょうど上海蟹がおいしい季節になりました。上海への旅行を計画される人へツアーにはない特別な旅行、新鮮な野菜や上海蟹が楽しめる崇明島の「農家楽(ノンジアラァ 田舎の民宿などで過ごす中国で人気のレジャー)」をお薦めします。

【谷口真里子さん】
写真:谷口真里子さんさん
 たにぐち・まりこ 2013年3月から県上海駐在員として赴任。主な業務は県内企業進出・販路開拓などの支援、観光など岐阜県のPR、岐阜県人会開催など。不破郡垂井町出身。

「ふるさとへの便り」一覧